日本地球惑星科学連合2025年大会

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[O-11] 高校生ポスター発表

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、鈴木 智恵子(海洋研究開発機構)、中西 諒(国立研究開発法人産業技術総合研究所)


13:45 〜 15:15

[O11-P65] 分解可能な繊維を作ろう! -米ぬかは衣服の分解に役立つか-

*金井 初彩1、城戸 文1 (1.都立調布北高校)

キーワード:繊維、分解、米ぬか

背景
流行のファッションを迅速に商品化し、安価で大量に流通させる「ファストファッション」が世界的に拡大している。このビジネスモデルは衣服の大量生産と大量消費、そして大量廃棄を生んでいるとして、環境汚染を深刻化させているともいわれている。一方で、近年は生分解性プラスチックの開発や米ぬかを用いた微生物分解の活性化に関する取り組みが進んでいる。私は将来ファッションの道に進みたいと考えており、今後も流通し続ける衣服を環境破壊の一因にしたくないとの思いから本研究に取り組むこととした。

目的
生分解可能な衣服作りに役立てるため、衣服の素材として広く用いられる材料が微生物分解される条件を調べる。

材料および方法
・布A(綿100%)および布B(綿40%、ポリエステル60%)
・培養土
・シャーレ
・密閉容器
・米ぬか
・CO2濃度センサー
シャーレ上に培養土を敷き、布A(米ぬか塗布あり/なし)及びB(米ぬか塗布あり/なし)をそれぞれ土中に埋める。これらのシャーレとCO2濃度センサーを密閉容器の中に入れ、CO2濃度の変化を観察する。CO2濃度の上昇は分解が進んだものとして評価する。また、実験期間終了時に、布の分解具合を目視で確認する。

結果
実験1(夏季:7月24日~8月21日)
布Aにおいては、米ぬかを塗布した方は分解が見られた。塗布しなかった方は分解が見られなかった。 布Bにおいては、米ぬかの塗布の有無に関わらず、分解が見られなかった。

実験2(冬季:11月19日~1月13日)
布Aにおいては、米ぬかを塗布した方は分解が見られた。塗布しなかった方はわずかな分解が見られた。 布Bにおいては、米ぬかの塗布の有無に関わらず、分解が見られなかった。

考察
1.綿100%の布は土中の微生物によって一部分解されること、また米ぬかを塗布すると分解されやすくな ることが観察された。この理由としては、米ぬかが微生物の増殖や活性を促進し、基質として綿が利用されたためと考えられる。

2.綿40%、ポリエステル60%の布は微生物によって分解されにくいことが観察された。この理由としては、一般的な土中の微生物はポリエステルを基質として利用しにくいためと考えられる。

3.夏季と冬季の比較からは特に明確な差は見いだせず、今回の実験では気温や湿度が分解に及ぼす影響については分からなかった。

今後の展望
適切な分解条件の特定を進めるため、次の3点について実験を進めたい。(1)微生物を活性化させる物質として、堆肥や腐葉土など米ぬか以外の物質を用いて実験を行う。(2)温度や湿度などの条件を適切に設定できる培養装置を用いる。(3)綿以外の天然素材を用いて実験を行う。

謝辞
今回の実験に、ご指導・ご助言をしてくださった、東京大学地震研究所の栗田敬名誉教授に厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

参考文献
チバニアン兼業農学校, ”米ぬかが農業にもたらす驚くべき効果と活用方法,” https://chibanian.info/komenuka_nogyo2024/, (2025年4月13日アクセス)