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[O11-P83] 画像デジタル解析による土色調査 ~再現性のある土壌断面の色情報解析方法の検討~
キーワード:マンセル色見本、RGB、光条件、嵯峨野高校校有林
1.序論
土壌は植物生態系の中心に位置し、その理解は土壌断面の調査が基本である。土壌断面調査の項目には、土層の厚さ、土色、斑紋、土性・石礫、土壌構造、堅密度、膠結(硬盤)、根などがある。土色は、土に含まれる成分に大きく影響される。例えば、有機質の場合黒味が強くなり、石灰質の場合は白くなる。また、土色調査からはその土地の環境や風化程度を知ることができる。土色の判断には、Munsell方式で配列した「標準土色帖(小山,竹原,2019)」を用いるが、個人差がある等という欠点がある(川村,卯田,2008)。一方、野外に携行可能な土色計SPAD-503(コニカミノルタ(株)製)による測定方法があり、土色計の測定窓を試料表面に密着させて測定ボタンを押して測定する(西山,木村,磯野,井上,2011)。本研究ではiPad(iPadOS17.5および18.4)と画像解析ソフトを用いて簡易的で再現性のある土色調査方法を開発した。
2.方法
Munsell方式では色相、明度、彩度で色を表す。調査地は嵯峨野高校校有林(以下、校有林)と嵯峨野高校地学実験室(以下、実験室)である。校有林で土壌断面を作成し、撮影した(以下、太陽下)。天候は晴れであった。同時に、標準土色帖を用いて土色調査を実施した(以下、標準土色帖)。また、校有林土のA層、B層、C層を用いて、実験室の蛍光灯下で撮影を行った(以下、蛍光灯下)。得た画像データのRGB値をiOS版無料アプリ「色しらべ」により抽出した。色相は色相環を角度で表した。明度は100(RGB値のMaxの値/255)で求め、彩度は(RGB値の最大値-RGB値の最小値)/RGB値の最大値で求めた。
3.結果及び考察
「標準土色帖」と「太陽下」では、同じ色相を示さず、「標準土色帖」と「蛍光灯下」でも、同様であった。しかし、「太陽下」と「蛍光灯下」では、ほぼ同じ色相であった。明度の値は彩度が変わるごとに変化したため、「標準土色帖」と「太陽下」、「標準土色帖」と「蛍光灯下」では比べることができなかった。「太陽下」と「蛍光灯下」では同じ値を示さなかった。これは、光源の明るさに基準を設けなかったことが原因である。
4.結論
デジタル画像を使用し、土色調査を行えると判断できる結果は得られなかった。しかし、色相の特定を行うことはできる。光源の明るさを調整するとデジタル画像の解析で土色調査を行える可能性が示唆された。
5.引用文献
1)川村麻子・卯田強, 2008. 土色計(MINOLTA SPAD-503)と標準土色帖の較正曲線-新潟県加治川段丘の赤色古土壌を例として-. 研究発表会講演論文集,日本応用地質学会.149-150
2)西山賢一・木村隆行・磯野陽子・井上弦,2011.色彩計を用いた岩石・土壌の色彩測定法,応用地質52 (2),日本応用地質学会. 62-71
3)安藤薫・小田紫帆里・日置雅之・山本岳・大竹敏也,2022.スマートフォンで撮影した土壌画像の解析に基づく露地野菜畑の土壌炭素含有量の推定,愛知農総研究所.54:43 - 48.
4)Kamsoft, 2024.アプリ「色しらべ」.ver.3.0.1
土壌は植物生態系の中心に位置し、その理解は土壌断面の調査が基本である。土壌断面調査の項目には、土層の厚さ、土色、斑紋、土性・石礫、土壌構造、堅密度、膠結(硬盤)、根などがある。土色は、土に含まれる成分に大きく影響される。例えば、有機質の場合黒味が強くなり、石灰質の場合は白くなる。また、土色調査からはその土地の環境や風化程度を知ることができる。土色の判断には、Munsell方式で配列した「標準土色帖(小山,竹原,2019)」を用いるが、個人差がある等という欠点がある(川村,卯田,2008)。一方、野外に携行可能な土色計SPAD-503(コニカミノルタ(株)製)による測定方法があり、土色計の測定窓を試料表面に密着させて測定ボタンを押して測定する(西山,木村,磯野,井上,2011)。本研究ではiPad(iPadOS17.5および18.4)と画像解析ソフトを用いて簡易的で再現性のある土色調査方法を開発した。
2.方法
Munsell方式では色相、明度、彩度で色を表す。調査地は嵯峨野高校校有林(以下、校有林)と嵯峨野高校地学実験室(以下、実験室)である。校有林で土壌断面を作成し、撮影した(以下、太陽下)。天候は晴れであった。同時に、標準土色帖を用いて土色調査を実施した(以下、標準土色帖)。また、校有林土のA層、B層、C層を用いて、実験室の蛍光灯下で撮影を行った(以下、蛍光灯下)。得た画像データのRGB値をiOS版無料アプリ「色しらべ」により抽出した。色相は色相環を角度で表した。明度は100(RGB値のMaxの値/255)で求め、彩度は(RGB値の最大値-RGB値の最小値)/RGB値の最大値で求めた。
3.結果及び考察
「標準土色帖」と「太陽下」では、同じ色相を示さず、「標準土色帖」と「蛍光灯下」でも、同様であった。しかし、「太陽下」と「蛍光灯下」では、ほぼ同じ色相であった。明度の値は彩度が変わるごとに変化したため、「標準土色帖」と「太陽下」、「標準土色帖」と「蛍光灯下」では比べることができなかった。「太陽下」と「蛍光灯下」では同じ値を示さなかった。これは、光源の明るさに基準を設けなかったことが原因である。
4.結論
デジタル画像を使用し、土色調査を行えると判断できる結果は得られなかった。しかし、色相の特定を行うことはできる。光源の明るさを調整するとデジタル画像の解析で土色調査を行える可能性が示唆された。
5.引用文献
1)川村麻子・卯田強, 2008. 土色計(MINOLTA SPAD-503)と標準土色帖の較正曲線-新潟県加治川段丘の赤色古土壌を例として-. 研究発表会講演論文集,日本応用地質学会.149-150
2)西山賢一・木村隆行・磯野陽子・井上弦,2011.色彩計を用いた岩石・土壌の色彩測定法,応用地質52 (2),日本応用地質学会. 62-71
3)安藤薫・小田紫帆里・日置雅之・山本岳・大竹敏也,2022.スマートフォンで撮影した土壌画像の解析に基づく露地野菜畑の土壌炭素含有量の推定,愛知農総研究所.54:43 - 48.
4)Kamsoft, 2024.アプリ「色しらべ」.ver.3.0.1
