日本地球惑星科学連合2025年大会

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[O-11] 高校生ポスター発表

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:原 辰彦(建築研究所国際地震工学センター)、紺屋 恵子(海洋研究開発機構)、鈴木 智恵子(海洋研究開発機構)、中西 諒(国立研究開発法人産業技術総合研究所)


13:45 〜 15:15

[O11-P92] 喜界島のアオサンゴの年輪と成長について

*宮﨑 圭乃子1,2 (1.喜界高等学校/サンゴ留学、2.喜界島サンゴ礁科学研究所)

キーワード:アオサンゴ、年輪、骨格密度、サンゴの成長

(はじめに)

鹿児島県大島郡喜界島には多くのサンゴが生息している。アオサンゴの分布はインド洋のサンゴ礁地域で琉球列島最北端のアオサンゴ群生は喜界島にある。そこで喜界島の海を泳ぎ実際にアオサンゴを見てみるとほかのサンゴを覆うように成長していた。また枝分かれしている部分をみて、ほかのサンゴに比べ成長が早いのではないか、枝の部分は折れやすいと思うがどう強度をたもっているのか疑問に思った。アオサンゴには年輪があると分かっているので、喜界島のアオサンゴを採取し年輪の長さと骨格密度をを調査した。

(方法)

2024年6月8日にアオサンゴの生息する喜界島小野津ビーチでアオサンゴを鹿児島県の特別採捕許可のもとに採取した。採取したアオサンゴ骨格を岩石カッターで成長が見られるよう5つに切断し、喜界島サンゴ礁科学研究所のCT装置(RF社Naomi‐CT L)を用いて、切断したアオサンゴのCT撮影をし(図1)、年輪と枝分かれ部分の密度を確認した。年輪の幅を画像処理ソフトウェアImageJ Abramoff et al., 2004 )を用いて測定した。成長方向ごとに年輪を計測し平均を算出した。またアオサンゴの枝分かれしている部分を岩石カッターを用いて根元と先端に分け、電子比重計を用いて骨格密度を測定した。

(結果)

先ず年輪の長さについては群体の内側で成長している部分は成長が早く1年の平均成長速度は9.8mm、外側で成長している部分は成長が遅く1年の平均の成長速度は7.39mmであることが分かった。また枝分かれしている部分の密度を見ると高密度になった後に枝分かれしていることが分かった。枝の先の密度を見ると低密度で採取したのは夏なので冬に高密度になり枝分かれしていると分かった。。電子比重計を用いて測定した骨格密度に関しては、根元の部分の密度が1.37, 1.61, 1.73(g/cm²) 先端の部分は1.11, 1.34, 1.28(g/cm²) でどの部分においても根元の部分のほうが密度が高かった。

(考察)

今回採取したアオサンゴの全体の1年の平均成長速度は8.30(±1.92)mmであると分かった結果より、同じ小野津で2024年5月18日に採取したハマサンゴの化石の1年の平均成長速度5.27(±3.38)mmと比較すると成長が早く、ほかのサンゴと競争しているとき優勢になり安定して成長していくのではないかと予想できる。枝分かれをしている部分の根元が高密度になっているのは、アオサンゴは成長が速いため密度が小さく折れやすくなってしまうため根元を強化しているのではないかと考えられる。また枝分かれした後、円を描くように1本1本が平行に成長していたため、群体全体が丸くなり折れにくくしているのではないかと考えた。成長が速いと密度が小さくなり折れやすくなってしまう可能性が高いので、根元の密度を高くすることで折れにくく工夫しているのではないかと考えた。

(結論)

今回の実験から、アオサンゴは他のサンゴより安定して成長していること、今後大きな群体になることが考えられると分かった。しかしアオサンゴはレッドリストにも登録されているためしっかり守っていくべきである。今回の研究では喜界島のアオサンゴの成長速度しか調べることができなかったので次回は他の地域のアオサンゴとの比較や同じ宝石サンゴでも赤サンゴなどとの比較を行い、宝石サンゴの実態を調査していきたい。また成長速度に関することだけでなく、アオサンゴの骨格の色の変化の原因を知るために成分の分析、アオサンゴのDNAを測定し石垣島や沖縄のアオサンゴとの比較を行っていきたい。

(参考文献)

谷中絢貴ほか(2018),「石西礁湖周辺における遺伝的に異なる2タイプのアオサンゴ Heliopora coerulea(Pallas, 1766)の生殖時期推定」『日本サンゴ礁学会誌』第20巻,39-51(2018)

長谷川浩 「宝石サンゴの炭酸塩骨格中における微量成分」 海洋化学研究 22, 2009