日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

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[O-12] 2025年ミャンマー中部の地震と被害

2025年5月25日(日) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

17:15 〜 19:15

[O12-P01] だいち2号による2025年ミャンマー地震に伴う地殻変動観測

★招待講演

*姫松 裕志1宗包 浩志1 (1.国土地理院)

キーワード:合成開口レーダー、地殻変動、地震、2025年ミャンマー地震

2025年3月28日 (UTC) にミャンマー中部でM7.7(USGS発表)の地震が発生した。宇宙航空研究開発機構 (JAXA) が運用しているだいち2号 (ALOS-2) は、この地震による地殻変動をとらえるために緊急観測を行った。国土地理院はだいち2号が取得したデータの解析を行い、地殻変動の描像を明らかにした。だいち2号のデータを用いて地震に伴う地殻変動を検出するために、SAR干渉解析とピクセルオフセット法を適用した。ピクセルオフセット法は画像に含まれる局所的なずれを地殻変動として検出する手法で、SAR干渉解析と比較して断層近傍付近で強健に地殻変動を明らかにできる。ピクセルオフセット法による解析の結果、Sagaing断層を境にマンダレーの北方からネピドーの南方にわたって、およそ400km以上にわたって変位の不連続が生じていることが分かった。このことは、この地震がSagaing断層によるものであることを示唆する。断層をはさんだ食い違い量は、衛星進行方向(アジマス方向)で最大6m程度であった。変位は断層に対して西側でおおむね北向き、東側で南向きであり、右横ずれのパターンを示す。この地震が右横ずれであることは、地震波解析の結果とも整合的である。一方、衛星視線方向(レンジ方向)には有意な地殻変動はほとんど認められなかった。これは地殻変動が南北方向に卓越しており、東西・上下方向の変位は小さいことを示唆している。また、SAR干渉解析の結果からは、変位の不連続はピクセルオフセットの結果よりもさらに南方に数十kmのびており、断層破壊の総延長が500km弱に達することがわかった。