日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-AE 天文学・太陽系外天体

[P-AE18] 系外惑星

2025年5月30日(金) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:小玉 貴則(地球生命研究所、東京科学大学)、川島 由依(京都大学)、野津 翔太(東京大学 大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻 地球惑星システム科学講座)、森 万由子(アストロバイオロジーセンター)


17:15 〜 19:15

[PAE18-P11] 地球型系外惑星の硫黄循環:主星・表層水環境依存性およびハビタビリティ制約可能性への示唆

*吉田 海渡1黒川 宏之1 (1.東京大学)

キーワード:系外惑星、ハビタビリティ、硫黄循環、大気化学、主星スペクトル型、表層水

硫黄化学種は、観測によって系外惑星のハビタビリティを制約する上で重要である。Loftusら(2019)は、単純化した硫黄循環モデルを用いて、系外惑星の大気中に検出可能なほど多量のSO2ガスやH2SO4エアロゾルが存在する場合、その惑星には海が存在する可能性は低いと結論づけた。本研究の目的は、(1) Loftusら(2019)が仮定した大気中での硫黄化学種の滞留時間を、現在の地球を想定した光化学モデルを用いた計算で検証すること (2) 同じ光化学モデルを用いて、地球型系外惑星の硫黄循環が、主星のスペクトル型および惑星の表層水量によってどのように変化するかを調べること (3) 以上の結果をもとに、系外惑星の大気硫黄フィーチャーの観測からハビタビリティ制約可能性を議論することである。
本研究では、惑星大気モデル計算ソフトウェア「Atmos」に含まれる鉛直1次元光化学モジュール「Photochem」を用いて、大気中の硫黄循環をシミュレーションした。さらに、各高度における硫黄化学種(SO2ガス、H2SO4ガス、H2SO4エアロゾル)の高度ごとの滞留時間(ある化学種が各高度において、化学反応や光解離などで除去されるまでに滞留する平均時間)を計算した。
得られた滞留時間をLoftusら(2019)の結果と比較したところ、両者は概ね一致した。これにより、Loftusら(2019)が導出した大気中での硫黄化学種の滞留時間の妥当性が示された。発表では、異なる主星スペクトル型および惑星の水量依存性についても紹介する。最後に、それらの結果をもとに、系外惑星の大気硫黄フィーチャーの観測に基づいたハビタビリティ制約可能性を再検討する。