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[PCG19-P02] Estimating the effect of bounce electron absorption on whistler mode wave growth through the formation of a loss-cone velocity distribution around Europa

キーワード:木星磁気圏、エウロパ、線形成長率、ホイッスラーモード波動、ロスコーン分布
Galileo探査機による観測結果から、エウロパおよびガニメデ近傍において、衛星軌道上で衛星から離れた領域における波動強度に対して最大106倍もの強度を持つホイッスラーモード波動が観測されている (Shpritz et al., 2018)。この強度差を生む原因については結論が得られていないが、土星探査機Cassiniによる観測から、衛星Rheaとの衝突により土星磁気圏内の高エネルギー電子の速度分布関数に生じる温度異方性が波動励起の要因となる可能性が示唆されており (Santolík et al., 2011)、Galileo探査機による観測結果を説明する要因の一つと考えられている。本研究では、エウロパ近傍の木星磁力線に沿ってバウンス運動する高エネルギー電子がエウロパと衝突することにより消失し、電子の速度分布に温度異方性が生じることでホイッスラーモード波動が励起されるという仮説に基づき、波動の成長率に対するエウロパの磁気緯度依存性と波動周波数依存性を検証した。温度異方性を有する粒子分布としてロスコーン分布を仮定し、その異方性を特徴づけるパラメータqを変化させることで様々な状況を再現した。さらに、粒子のバウンス時間とエウロパが磁力線を横切る時間の関係、および粒子の赤道ピッチ角に関する考察から、エウロパに衝突する電子のエネルギー範囲を推定した(Clark et al., 2022)。波動の線形成長率はXiao et al. (1998)に基づいて計算した。なおエウロパ軌道付近での電子サイクロトロン周波数Ωeを12000 [/s]とする。
計算結果から、波動周波数が0.2 Ωeの場合、エウロパの磁気緯度Mlatが10°の時に成長率ωi = 4.82 [/s]、7°の時にωi = 16.5 [/s]、3°の時にωi = 0.652 [/s]という値が得られた。この結果から、エウロパの磁気緯度が低下するにつれて、(1) 粒子のピッチ角分布の温度異方性が強まり成長率が増大する効果と、(2) 衛星との衝突によって波動と共鳴する粒子数が減少し成長率が減少する効果の、二つの相反する効果が現れることが示唆された。同様の傾向は、0.4 Ωeおよび0.6 Ωeの周波数においても確認され、成長率はMlat=7°で最大、Mlat=3°で最小となった。得られた成長率は、Shpritz et al. (2018)によって報告されたエウロパ近傍と離れた領域での波動強度の差を十分に説明できる値であると考えられる。
計算結果から、波動周波数が0.2 Ωeの場合、エウロパの磁気緯度Mlatが10°の時に成長率ωi = 4.82 [/s]、7°の時にωi = 16.5 [/s]、3°の時にωi = 0.652 [/s]という値が得られた。この結果から、エウロパの磁気緯度が低下するにつれて、(1) 粒子のピッチ角分布の温度異方性が強まり成長率が増大する効果と、(2) 衛星との衝突によって波動と共鳴する粒子数が減少し成長率が減少する効果の、二つの相反する効果が現れることが示唆された。同様の傾向は、0.4 Ωeおよび0.6 Ωeの周波数においても確認され、成長率はMlat=7°で最大、Mlat=3°で最小となった。得られた成長率は、Shpritz et al. (2018)によって報告されたエウロパ近傍と離れた領域での波動強度の差を十分に説明できる値であると考えられる。