日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG20] 宇宙・惑星探査の将来計画および関連する機器開発の展望

2025年5月29日(木) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:三谷 烈史(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、桑原 正輝(立教大学)、横田 勝一郎(大阪大学・理学研究科)、長 勇一郎(東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻)


17:15 〜 19:15

[PCG20-P08] 常時電源を必要とせず、容積が無視できる衛星搭載用真空ポンプの開発

*吉川 一朗1富岡 蒼生1吉岡 和夫1、狩野 悠2、正岡 裕介2、矢部 学2、濵中 健一2 (1.東京大学、2.入江工研株式会社)

キーワード:真空ポンプ、ゲッター、人工衛星搭載用、水分除去

理学の研究者は, 観測機の開発と同時に「設計通りの性能をいかに宇宙で発揮するか」を考える必要がある. 観測機の製造から宇宙での観測を開始するまでの長い年月, その性能を維持する仕組みも考えなくては, 良い成果は得られない. その仕組みの一つに真空封じがある. 例えば, 地球大気との接触を嫌い, 宇宙空間で初めて暴露しなければならない部位は, その部位を真空容器に入れ, 大気圏の外で容器の蓋を開ける手段が取られる. しかし, 容器内壁からのアウトガスにより圧力が高くなり, 観測開始までに装置の性能を低下化させてしまうこともある. 観測機の開発と同時に性能を維持する仕組みも考えなければ, 最高の成果には至らない例である.
我々は, 近年ジルコニウムを使った無電源ポンプを開発したが, 地上GSEとしては機能しているが, 衝撃耐性, 繰り返し回数, 容積・重量の点から飛翔体に搭載するまでには至らなかった.本研究では, 装置が宇宙空間に到着するまで, 装置内の残留大気を吸収し, 高い真空度(10E-2Pa程度)を保つことができるパラジウム/チタン薄膜を開発した. ベローズなどの内面にこれを成膜すれば, 容積が限りなくゼロに近く, 重量は数十グラム程度の大気吸収ポンプとして機能するであろう. 装置の劣化を防ぐだけでなく, 衛星総合試験中の煩雑な作業を短縮でき, 衛星開発の総費用の軽減にもつながる.