日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-CG 宇宙惑星科学複合領域・一般

[P-CG20] 宇宙・惑星探査の将来計画および関連する機器開発の展望

2025年5月29日(木) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:三谷 烈史(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、桑原 正輝(立教大学)、横田 勝一郎(大阪大学・理学研究科)、長 勇一郎(東京大学理学系研究科地球惑星科学専攻)


17:15 〜 19:15

[PCG20-P13] 宇宙プラズマ電界計測用フローティング電源プリアンプの開発

*田中 恵太1栗田 怜2小嶋 浩嗣2 (1.京都大学大学院工学研究科、2.京都大学生存圏研究所)

宇宙プラズマ中における電界観測では、プラズマが分散性媒質であることから電界観測装置の電界センサーのインピーダンスが周波数の関数となり、観測周波数帯域も広範にわたるため、センサーとプリアンプのインピーダンス整合をとることが難しい。このため、観測精度向上のため、プリアンプには極めて高い入力インピーダンスが求められる。また、特に直流電場の計測では、衛星やセンサーそのものの帯電が影響する複雑な系となり、正確な計測を行うには、センサーの電位制御などが重要となる。
これらの要件から、過去の日本の観測衛星においては、高入力インピーダンスのプリアンプを交流計測用と直流計測用で並列して接続する形式となっていた。しかし、この構造では、プリアンプ同士の入力インピーダンスが干渉による低下を起こし、特に直流計測側での感度低下を招いていた。また、その分リソースも必要となっていた。
一方で、欧米の観測衛星では、絶縁型DC/DCコンバータを用いて衛星から独立した電位で電源供給をプリアンプ行い、かつ、その電位基準をプリアンプの出力とすることで、入力電圧に自動追従するフローティング電源プリアンプが利用されてきた。この方式では、プリアンプが1つであるためインピーダンス低下を起こさず、更に、これを衛星からブームを用いて離れた位置に置くことで、更に高精度の観測が期待できる。
本研究では、絶縁型DC/DCコンバータ利用のフローティング電源に加え、トランジスタを用いたブートストラップ手法を利用したフローティング電源プリアンプを提案した。これは、衛星内部の高圧電源から定電流を作り、これにより衛星電位と独立な参照電圧を発生させ、この参照電位の基準をプリアンプの出力とすることで、欧米型のフローティング電源プリアンプと同様の動作を意図したものである。この工夫により、フローティング電源におけるDC/DCコンバータが不要となるため、欧米型の問題点であったスイッチングノイズによる観測結果への影響を無くすことができる。また、フローティング電源方式でありプリアンプは1つであることから、従来の日本の衛星の問題点であった直流観測における感度低下も防ぐことが可能である。本発表では、開発中の新型プリアンプについて、概要と詳細、試験回路の性能評価の結果について報告する。