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[PCG20-P14] 逆電位アナライザにおけるメッシュグリッド平面電位がイオンの軌道に及ぼす影響

キーワード:電離圏イオン、逆電位アナライザ、グリッド開口率、グリッド平面電場
本研究では、電離圏下部における中性大気と電離大気の結合過程を解明するため、観測ロケット搭載用イオンドリフト速度測定器の開発を進めている。本測定器は、Retarding Potential Analyzer(RPA)と、表面積の異なる36枚の扇形単電極が貼り付けられた円形のコレクタ電極で構成されている。測定器に流入したイオンは、RPA内部のメッシュに印加されたリターディング電圧(以降、RPA電圧と表記)によってエネルギー選別されたのち、コレクタ電極に到達し、イオン電流として検出される。これまでに行ったJAXA宇宙科学研究所の大型スペースサイエンスチェンバーを用いたフライトモデルの性能評価試験により、取得された電流データからイオンのエネルギー、ドリフト速度、温度、密度を推定できることが確認された。
今回行ったシミュレーションでは、電磁場が存在する空間での荷電粒子の軌道を計算するソフトウェアを使用し、RPAに流入したイオンのうち、コレクタ電極に到達する割合(イオン透過率)、メッシュに衝突する割合、および電場により軌道が曲げられるイオンの割合を解析した。
RPA内部を模擬する横(x軸)40 mm、縦(y軸)7.68 mm、高さ(z軸) 7.68 mmのシミュレーション空間に、一枚当たりの開口率が96.5 %であるメッシュを6枚(イオンが流入する側から順にG1~G6とする)、実際のRPAの設計図面に基づき、6 mmの間隔で配置した。実際のメッシュは円形であるが、シミュレーションでは四角形とした。PCのメモリの制約上、実際のメッシュサイズ(直径85 mm)ではなく、一辺の網目の個数を9個(一辺7.68 mm)とした。メッシュG2およびG3には、イオンのエネルギー分析のため0~4 Vの電圧を印加した。シミュレーションで与えたイオンは電離圏環境を考慮したO+イオンで、x=0におけるyz平面に一様に分布させ、+x方向の向きに、50万個放出した。バルク速度はロケット上昇速度を考慮し、600 m/sとした。イオンのエネルギー分布については、0~0.4 eVの範囲で電離圏のイオン温度として600 Kに近いガウス分布で与えた。与えたイオンのエネルギーのうち、0~0.01 eVのエネルギーをもつイオンが最も多く、全体の3割を占める。
1.メッシュの開口率に対してコレクタ電極に到達するイオンの割合
RPA電圧が0 Vのとき、イオン透過率は約92.4 %であった。シミュレーション上では、6枚のメッシュがずれることなく整列しているため、6枚分の開口率である80.8 %よりも高い透過率となった。RPA電圧を0.001 Vから0.01 Vに増加させると、後述するメッシュへのイオン衝突の増加や、電場によるイオン軌道の変化により、イオン透過率は約87.9 %から徐々に約77.7 %まで低下した。
2.電場の影響を受けるイオンの割合
RPA電圧を0.001 Vから0.01 Vに増加させていくと、電場の影響を受けるイオンの割合は約7.20 %から約21.9 %まで徐々に増加した。メッシュG1(GND)とRPA電圧が印加されるメッシュG2の間には電位勾配が生じており、G1~G2の任意の地点の電位に満たないエネルギーのイオンは、G2より手前の地点で軌道が曲げられる。さらに、電場の影響を受けたイオンの中で、軌道変化により内壁に衝突するものも確認されたが、その割合については現在解析を進めている。
3.メッシュに衝突するイオンの割合
RPA電圧が0 Vのとき、メッシュに衝突するイオンの割合は約7.56 %であった。RPA電圧を0.001 Vから0.01 Vに増加させると、メッシュに衝突するイオンの割合は、約11.3 %から約17.4 %に徐々に増加した。これは、メッシュ面内の電場の影響を受け、本来コレクタ電極に到達するはずのイオンが軌道変化によりメッシュに衝突したためと考えられる。
また、メッシュに衝突したイオンのうち、RPA電圧が0.001~0.01 Vの範囲では、約70 %がメッシュG1に、約30 %がメッシュG2に衝突し、メッシュG3~G6に衝突するイオンの割合は約0.001~0.006 %であった。イオンはメッシュG3を通過した後、ほとんどメッシュに衝突せず、コレクタ電極に到達できると考えられる。
本発表では、上記の結果とともに、メッシュに印加したRPA電圧が作り出す電場が、イオン透過率、メッシュに衝突するイオンの割合、そしてイオン軌道に及ぼす影響について考察する。
今回行ったシミュレーションでは、電磁場が存在する空間での荷電粒子の軌道を計算するソフトウェアを使用し、RPAに流入したイオンのうち、コレクタ電極に到達する割合(イオン透過率)、メッシュに衝突する割合、および電場により軌道が曲げられるイオンの割合を解析した。
RPA内部を模擬する横(x軸)40 mm、縦(y軸)7.68 mm、高さ(z軸) 7.68 mmのシミュレーション空間に、一枚当たりの開口率が96.5 %であるメッシュを6枚(イオンが流入する側から順にG1~G6とする)、実際のRPAの設計図面に基づき、6 mmの間隔で配置した。実際のメッシュは円形であるが、シミュレーションでは四角形とした。PCのメモリの制約上、実際のメッシュサイズ(直径85 mm)ではなく、一辺の網目の個数を9個(一辺7.68 mm)とした。メッシュG2およびG3には、イオンのエネルギー分析のため0~4 Vの電圧を印加した。シミュレーションで与えたイオンは電離圏環境を考慮したO+イオンで、x=0におけるyz平面に一様に分布させ、+x方向の向きに、50万個放出した。バルク速度はロケット上昇速度を考慮し、600 m/sとした。イオンのエネルギー分布については、0~0.4 eVの範囲で電離圏のイオン温度として600 Kに近いガウス分布で与えた。与えたイオンのエネルギーのうち、0~0.01 eVのエネルギーをもつイオンが最も多く、全体の3割を占める。
1.メッシュの開口率に対してコレクタ電極に到達するイオンの割合
RPA電圧が0 Vのとき、イオン透過率は約92.4 %であった。シミュレーション上では、6枚のメッシュがずれることなく整列しているため、6枚分の開口率である80.8 %よりも高い透過率となった。RPA電圧を0.001 Vから0.01 Vに増加させると、後述するメッシュへのイオン衝突の増加や、電場によるイオン軌道の変化により、イオン透過率は約87.9 %から徐々に約77.7 %まで低下した。
2.電場の影響を受けるイオンの割合
RPA電圧を0.001 Vから0.01 Vに増加させていくと、電場の影響を受けるイオンの割合は約7.20 %から約21.9 %まで徐々に増加した。メッシュG1(GND)とRPA電圧が印加されるメッシュG2の間には電位勾配が生じており、G1~G2の任意の地点の電位に満たないエネルギーのイオンは、G2より手前の地点で軌道が曲げられる。さらに、電場の影響を受けたイオンの中で、軌道変化により内壁に衝突するものも確認されたが、その割合については現在解析を進めている。
3.メッシュに衝突するイオンの割合
RPA電圧が0 Vのとき、メッシュに衝突するイオンの割合は約7.56 %であった。RPA電圧を0.001 Vから0.01 Vに増加させると、メッシュに衝突するイオンの割合は、約11.3 %から約17.4 %に徐々に増加した。これは、メッシュ面内の電場の影響を受け、本来コレクタ電極に到達するはずのイオンが軌道変化によりメッシュに衝突したためと考えられる。
また、メッシュに衝突したイオンのうち、RPA電圧が0.001~0.01 Vの範囲では、約70 %がメッシュG1に、約30 %がメッシュG2に衝突し、メッシュG3~G6に衝突するイオンの割合は約0.001~0.006 %であった。イオンはメッシュG3を通過した後、ほとんどメッシュに衝突せず、コレクタ電極に到達できると考えられる。
本発表では、上記の結果とともに、メッシュに印加したRPA電圧が作り出す電場が、イオン透過率、メッシュに衝突するイオンの割合、そしてイオン軌道に及ぼす影響について考察する。
