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[PCG21-P05] GEMS模擬物質の結晶化実験
キーワード:宇宙物質進化、GEMS、結晶化
彗星由来とされる無水CP-IDP(chondritic-porous interplanetary dust particles)の主成分であるGEMS(glass embedded with metals and sulfides) は,太陽系の原材料物質として知られる [1].彗星の観測では非晶質ケイ酸塩だけでなく結晶質ケイ酸塩の存在も示唆されており [2],原始太陽系円盤外側で形成されたと考えられている彗星の形成には,円盤外側物質に加えて円盤内側から輸送された高温物質も寄与していると考えられてきた[1].GEMSの形成過程は未だ明らかになっていないが,円盤内側の高密度ガスの急冷による凝縮によってGEMS様組織が形成されうることが提案されている [3].GEMS円盤内側で形成した場合,彗星形成領域の円盤外側へ輸送される前にその場で加熱による結晶化を経験した可能性がある.本研究では,カマサイトをコアに持つGEMS模擬物質 [4] の真空加熱実験を行い,GEMSの結晶化過程や条件を調べたほか,彗星の赤外観測スペクトルを説明できるかの検証を行った.加熱実験には真空ゴールドミラー炉 [5] を用い,真空(~ 10-4 Pa)中で加熱温度(620,720,820,920℃)までは毎分20℃の速度で昇温し,その後一定時間(0.5-72時間)試料を加熱した.出発物質および加熱後試料の分析には粉末X線回折(XRD;Rigaku MiniFlex-600C)とフーリエ変換赤外分光法(FT-IR;JASCO FT/IR-4200)を用いた.加熱温度現状得られている結果から,GEMS模擬物質の加熱によってかんらん石や微量の輝石の結晶化,より高温ではかんらん石におけるFeの割合の増加,カマサイト成分の減少などの変化が見られた.さらに,加熱後のGEMS模擬物質が彗星の赤外観測スペクトルを定性的に説明できることがわかった.加えて,結晶化したかんらん石のMg/(Mg+Fe)の変化をより定量的に議論する.
[1] Keller, L. P. and Messenger, S. (2011) GCA 75, 5336.
[2] Brucato, J. R. (1999) A&A 348, 1012.
[3] Kim, T. H. et al. (2021) A&A 656, A42.
[4] Enomoto, H. and Takigawa, A. (2023) LPSC LVI #1376.
[5] Yamamoto, D. and Tachibana, S. (2018) ACS Earth Space Chem. 2, 778.
[1] Keller, L. P. and Messenger, S. (2011) GCA 75, 5336.
[2] Brucato, J. R. (1999) A&A 348, 1012.
[3] Kim, T. H. et al. (2021) A&A 656, A42.
[4] Enomoto, H. and Takigawa, A. (2023) LPSC LVI #1376.
[5] Yamamoto, D. and Tachibana, S. (2018) ACS Earth Space Chem. 2, 778.