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[PEM12-P13] 中規模伝搬性電離圏擾乱の緯度依存性に関する統計的研究: 日本におけるGPS観測

キーワード:中規模伝搬性電離圏擾乱、電離圏、全地球測位システム
本研究では中規模伝搬性電離圏擾乱の緯度依存性を調べるため、2000年から2019年における、日本の4地点(北海道、東北、近畿、九州)の全地球測位システム(GPS)から算出した全電子数(TEC)データを解析した。各衛星-受信機間で得られたTECの時系列から、1時間の移動平均から偏差を算出し、MSTIDによるTEC変動とした。本研究では、TECデータからMSTID活動度という指標を特定の範囲で1時間に観測されたTEC変動の標準偏差(δI)を、IはδIと同じ範囲、同じ時間帯に観測された背景TEC(I)を用いてδI/Iと定義し算出している。また、TECデータの2時間の時系列から、Otsuka et al.(EPS,2021)の方法を用い、TECの自己相関関数(ACF)を計算することで、MSTIDの伝搬速度及び伝搬方向を算出している。
2000年から2019年までのMSTID活動度、MSTIDの伝搬方向、伝搬速度の3つの季節変化を調べた。MSTID活動度について、各観測地点で昼間は冬に極大が見られ、夜間は夏に第一の極大、冬に第二の極大が見られた。MSTIDの伝搬方向について、各観測地点で夏の夜間は南西方向に、冬の昼間は南方向に伝搬していることが分かった。この結果は、過去の研究と一致しており、昼間のMSTIDが大気重力波によって発生し、夜間のMSTIDはパーキンス不安定によって発生していると考えられる。
昼間のMSTIDについて、2000年から2019年までのMSTID活動度、MSTIDの伝搬速度、伝搬方向の年々変化を調べた。MSTID活動度について、緯度による変化は見られなかった。MSTIDの伝搬方向は、どの観測点でも南方向であり、緯度による違いはほぼ見られなかった。これは昼間のMSTIDが大気重力波に起因するものであり、大気重力波による中性大気の振動が磁力線に沿った方向になる場合、つまり大気重力波が南方向に伝搬する場合に電離圏電子密度変動が最も顕著になり、MSTIDとして観測されやすくなるためと考えられる。一方、MSTIDの伝搬速度は、高太陽活動期において緯度による違いが顕著であった。高太陽活動期において、昼間の平均の伝搬速度は、北海道、東北、近畿、九州において、それぞれ105m/s、101m/s、82m/s、80m/sであり、緯度が高いほど平均の伝搬速度が大きいことが明らかになった。伝搬速度は、北海道では50~170m/sの範囲に分布し、九州では30~160m/sに分布していた。この結果は、緯度が高いほど中性大気の密度が小さくなることにより粘性が高くなるため、鉛直方向の波長の短い大気重力波が消散しやすくなり、高緯度側では、伝搬速度が小さいMSTIDが観測されないためと考えられる。
2000年から2019年までのMSTID活動度、MSTIDの伝搬方向、伝搬速度の3つの季節変化を調べた。MSTID活動度について、各観測地点で昼間は冬に極大が見られ、夜間は夏に第一の極大、冬に第二の極大が見られた。MSTIDの伝搬方向について、各観測地点で夏の夜間は南西方向に、冬の昼間は南方向に伝搬していることが分かった。この結果は、過去の研究と一致しており、昼間のMSTIDが大気重力波によって発生し、夜間のMSTIDはパーキンス不安定によって発生していると考えられる。
昼間のMSTIDについて、2000年から2019年までのMSTID活動度、MSTIDの伝搬速度、伝搬方向の年々変化を調べた。MSTID活動度について、緯度による変化は見られなかった。MSTIDの伝搬方向は、どの観測点でも南方向であり、緯度による違いはほぼ見られなかった。これは昼間のMSTIDが大気重力波に起因するものであり、大気重力波による中性大気の振動が磁力線に沿った方向になる場合、つまり大気重力波が南方向に伝搬する場合に電離圏電子密度変動が最も顕著になり、MSTIDとして観測されやすくなるためと考えられる。一方、MSTIDの伝搬速度は、高太陽活動期において緯度による違いが顕著であった。高太陽活動期において、昼間の平均の伝搬速度は、北海道、東北、近畿、九州において、それぞれ105m/s、101m/s、82m/s、80m/sであり、緯度が高いほど平均の伝搬速度が大きいことが明らかになった。伝搬速度は、北海道では50~170m/sの範囲に分布し、九州では30~160m/sに分布していた。この結果は、緯度が高いほど中性大気の密度が小さくなることにより粘性が高くなるため、鉛直方向の波長の短い大気重力波が消散しやすくなり、高緯度側では、伝搬速度が小さいMSTIDが観測されないためと考えられる。