11:15 〜 11:30
[PEM13-08] プラズマ圏界面位置と太陽風電場の履歴に対する比較研究
キーワード:プラズマ圏、内部磁気圏、太陽風、磁気圏対流
プラズマ圏界面は、地球のプラズマ圏(電離圏起源の低エネルギープラズマが存在する領域)と、その外側のプラズマ密度が低い領域との境界である。プラズマ圏界面は、放射線帯電子の散乱・加速に影響を与える波動の発生領域を決定する重要な要素であるが、プラズマ圏界面の位置は磁気圏内の電場や電離圏からのプラズマの供給の影響を受けて複雑に変動するため、地磁気指数等を用いたモデルの予報精度は高くない。例えば2017年9月の磁気嵐(Dst最小値 -147 nT)におけるプラズマ圏の極端な収縮時にはそのずれが顕著であった(Obana et al., 2019)。本研究では地磁気擾乱指標の代わりに、太陽風電場Eyを磁気圏対流のプロキシとして用いて、その履歴に着目することで、より単純なモデルの改善を提案する。
本研究では、プラズマ圏界面を以下のように決定する。まず、あらせ衛星に搭載されたPlasma Wave Experiment (PWE)とVan Allen Probesに搭載されたElectric and Magnetic Field Instrument Suite and Integrated Science (EMFISIS)で得られた電場スペクトルデータを使用して電子密度を算出し、電子密度(ne)がΔL < 0.1の範囲で5倍以上減少した場合、衛星がプラズマ圏界面を通過したイベントとして抽出してリスト化する。得られたプラズマ圏界面通過イベントを磁気地方時(Magnetic Local Time: MLT)で分類し、さまざまな磁気圏擾乱指数および太陽風電場と比較する。
これまでのところ、2017年9月から2023年12月までの238日分のあらせ衛星 PWDデータを解析して、300余りのプラズマ圏界面通過イベントがリストアップされており、プラズマ圏界面の赤道面にマッピングされた地心距離(Lpp)を、Ey(太陽風電場)、SYM-H、Kp指数と比較した。その結果、過去48時間の平均Eyが最もLppと高い相関を示した。さらに、Lppを6つの異なるMLTビンに分類し、過去にさかのぼってEyを平均する時間の長さを様々に変化させてLppとEyの相関を調査した。その結果22-2 MLTに分類されたLppが過去45時間の平均Eyとの間で示す相関が最も高くなった(相関係数0.8)。そのほかのMLTでは、やや相関が低くなるものの、2-6 MLTのLppが過去45時間、6-10MLTのLppが過去9時間、10-14 MLTのLppが過去12時間、14-18 MLTのLppが過去21時間、18-22 MLTのLppが過去27時間の平均Eyと最適な相関が得られた。しかし、夜側のプラズマ圏界面はIMF(太陽風磁場)の極性変化に対して約30分で反応し、侵食することが知られており(Goldstein et al., 2003)、約45時間という平均時間は予想外に長い。さらに、夜側のLppが昼側のLppに比べて、より長い時間の平均Eyと高い相関を示す結果は一見、奇妙であり、さらなる詳細な研究が必要である。
今回は、Van Allen Probesで得られたhiss波動による電子密度推定データを新たに用い、Eyの統計処理方法を改良して、その成果を発表する。
本研究では、プラズマ圏界面を以下のように決定する。まず、あらせ衛星に搭載されたPlasma Wave Experiment (PWE)とVan Allen Probesに搭載されたElectric and Magnetic Field Instrument Suite and Integrated Science (EMFISIS)で得られた電場スペクトルデータを使用して電子密度を算出し、電子密度(ne)がΔL < 0.1の範囲で5倍以上減少した場合、衛星がプラズマ圏界面を通過したイベントとして抽出してリスト化する。得られたプラズマ圏界面通過イベントを磁気地方時(Magnetic Local Time: MLT)で分類し、さまざまな磁気圏擾乱指数および太陽風電場と比較する。
これまでのところ、2017年9月から2023年12月までの238日分のあらせ衛星 PWDデータを解析して、300余りのプラズマ圏界面通過イベントがリストアップされており、プラズマ圏界面の赤道面にマッピングされた地心距離(Lpp)を、Ey(太陽風電場)、SYM-H、Kp指数と比較した。その結果、過去48時間の平均Eyが最もLppと高い相関を示した。さらに、Lppを6つの異なるMLTビンに分類し、過去にさかのぼってEyを平均する時間の長さを様々に変化させてLppとEyの相関を調査した。その結果22-2 MLTに分類されたLppが過去45時間の平均Eyとの間で示す相関が最も高くなった(相関係数0.8)。そのほかのMLTでは、やや相関が低くなるものの、2-6 MLTのLppが過去45時間、6-10MLTのLppが過去9時間、10-14 MLTのLppが過去12時間、14-18 MLTのLppが過去21時間、18-22 MLTのLppが過去27時間の平均Eyと最適な相関が得られた。しかし、夜側のプラズマ圏界面はIMF(太陽風磁場)の極性変化に対して約30分で反応し、侵食することが知られており(Goldstein et al., 2003)、約45時間という平均時間は予想外に長い。さらに、夜側のLppが昼側のLppに比べて、より長い時間の平均Eyと高い相関を示す結果は一見、奇妙であり、さらなる詳細な研究が必要である。
今回は、Van Allen Probesで得られたhiss波動による電子密度推定データを新たに用い、Eyの統計処理方法を改良して、その成果を発表する。
