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[PEM13-P19] あらせ衛星で観測された静電波を伴うコーラス波の伝搬角の特徴

キーワード:コーラス波、ラングミュア波
コーラス波は、地球磁気圏で観測されるホイッスラーモードの電磁波であり、磁気赤道付近で励起し、高緯度に向かって伝搬する。コーラス波は通常、電子サイクロトロン周波数fceの0.1倍から0.8倍の周波数で観測される。また、0.5fce付近で強度のギャップをもつ場合が多く、0.5fceより高周波側はUpper Band Chorus(UBC)、低周波側はLower Band Chorus(LBC)と分けられる。コーラス波は、様々な非線形現象と関連しており、磁気圏における高エネルギー電子の形成に寄与している。コーラス波の振幅が大きい場合には、電子がコーラス波の位相にトラップされ、相対論的速度にまで加速される。STEREO衛星においては、伝搬方向に対して歪んだ電界成分をもつ斜め伝搬ホイッスラーモード波が観測されており、コーラス波の静電成分によって、プラズマ密度の変動が引き起こされていると考えられている[Kellogg et al., 2010]。ISEE衛星においては、コーラス波によって変調されたビームモードの静電バーストが観測されており[Reinleitner et al., 1982]、この変調はコーラス波の位相速度と同じ速度の電子がランダウ共鳴することによって生じていると考えられている[Reinleitner et al., 1983]。また、Van Allen Probesの観測においても、同様にコーラス波に変調された静電波が観測されており、振動方向および周波数からラングミュア波であると考えられている。粒子観測器の観測データから、磁力線平行方向にコーラス波のランダウ共鳴エネルギーと等しいエネルギーをもつ電子ビームが存在することが判明している[Li et al., 2017]。しかし、これらの研究は、数例のイベント解析となっており、このイベント全体の包括的な理解には至っていない。また、これらの衛星では、波形観測器の上限周波数が10kHz程度となっており、高周波成分をもつ静電波が正確に捉えられていない。よって、私たちは、コーラス波が多く観測される磁気赤道付近を長期的に周回しており、また、波形観測器の上限周波数が20kHzであるあらせ衛星の波形観測器(WFC)の観測データを用いて、本現象の統計解析を行った。
上記の通り、本現象における静電波の励起には、斜め伝搬コーラス波が重要な役割を担っている。しかし、コーラス波の伝搬角による静電波の励起については解析されていない。よって私たちは、あらせ衛星の観測データを用いてこのイベントの自動判定を行い、コーラス波の伝搬角に対する静電波の発生割合を統計的に解析した。その結果、伝搬角が~20°のコーラス波においては、静電波が同時に観測されている割合が5%未満であった。一方で、伝搬角が約50°の斜め伝搬コーラス波においては、静電波が同時に観測されている割合が15%程度となっており、コーラス波の伝搬角に対する依存性がみられた。また、コーラス波の周波数に関しても、同様の解析を行った結果、0.55fce~0.65fceに平行方向電界の強度ピークをもつコーラス波と同時に静電波が多く観測されていることが判明した。本発表ではこれらの結果に加えて、コーラス波の強度に対する静電波の発生割合も示す。
上記の通り、本現象における静電波の励起には、斜め伝搬コーラス波が重要な役割を担っている。しかし、コーラス波の伝搬角による静電波の励起については解析されていない。よって私たちは、あらせ衛星の観測データを用いてこのイベントの自動判定を行い、コーラス波の伝搬角に対する静電波の発生割合を統計的に解析した。その結果、伝搬角が~20°のコーラス波においては、静電波が同時に観測されている割合が5%未満であった。一方で、伝搬角が約50°の斜め伝搬コーラス波においては、静電波が同時に観測されている割合が15%程度となっており、コーラス波の伝搬角に対する依存性がみられた。また、コーラス波の周波数に関しても、同様の解析を行った結果、0.55fce~0.65fceに平行方向電界の強度ピークをもつコーラス波と同時に静電波が多く観測されていることが判明した。本発表ではこれらの結果に加えて、コーラス波の強度に対する静電波の発生割合も示す。
