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[PEM17-P02] 高次精度陽的時間領域有限差分法の電流源における数値誤差の修正
キーワード:FDTD、クーラン条件、分散関係、電荷保存則、数値誤差、高次精度差分
本研究では、電流源を入力として与えるFDTD (Finite-Difference Time-Domain) 法において、時間発展式に高次精度差分を用いた際に生じる数値誤差の修正を行った。FDTD法は、電磁場の時間発展を解く数値計算手法であり、時間および空間ともに2次精度の差分でMaxwell方程式を近似することで求められる (Yee 1966)。また、staggered格子系が採用されており、電場および磁場についてのGaussの法則が常に成り立つ。この利点によりFDTD法は電磁場計算手法として50年以上に渡って用いられており、プラズマ運動論シミュレーションにも適用されている。FDTD法では数値的な位相速度と理論的な光速の差に依存して数値振動が生じる。この数値振動の低減のため、空間差分精度を上げた手法が提案されている (Fang 1989; Petropoulos 1994)。しかし、近似精度の上昇および空間の高次元化に伴ってCourant条件は厳しくなるという問題を抱えていた。そこで、Courant条件の緩和と同時に数値誤差を低減させるために、FDTDの時間発展式に奇数階微分項を追加する手法を開発した (Sekido & Umeda, IEEE TAP, 2023; EPS, 2024; PIER M, 2024)。この手法では従来の陽的FDTD法よりも時間ステップを長くとることができるため、プラズマシミュレーションに適用することで計算時間の大幅な短縮が可能となる。しかし、電流源を含む時間発展式の空間差分を高次精度化したときに電荷保存則において数値的な誤差が生じ、静電場の残留が生じることが明らかとなっている。この数値誤差はプラズマシミュレーションにおいて悪影響を及ぼすため、入力電流の補正が必要である。FDTD(2,2)では静電場の残留は発生しないことから、本研究では高次精度差分を用いた時間発展式に対して補正項を追加することにより、電荷保存則における数値的な誤差を抑制した。