日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-EM 太陽地球系科学・宇宙電磁気学・宇宙環境

[P-EM17] 宇宙プラズマ科学

2025年5月27日(火) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:天野 孝伸(東京大学 地球惑星科学専攻)、三宅 洋平(神戸大学大学院システム情報学研究科)、諌山 翔伍(九州大学総合理工学研究院)、梅田 隆行(北海道大学 情報基盤センター)

17:15 〜 19:15

[PEM17-P06] 月面近傍におけるラングミュアプローブ特性の数値実験

*谷口 泰斗1三宅 洋平2中園 仁2深澤 伊吹1臼井 英之2栗田 怜3小嶋 浩嗣3 (1.京都大学大学院工学研究科電気工学専攻、2.神戸大学大学院システム情報学研究科、3.京都大学生存圏研究所)

キーワード:EMSES、月、ラングミュアプローブ、2次元、OML理論、電流電圧特性

近年、NASAのアルテミス計画などにあげられるように、月利用が計画されている。月の利用が可能になれば、深宇宙への探査の拠点としてや、人類の活動スペースとしての活用が可能になると考えられている。しかしながら、月には大気や全球規模の固有磁場が存在せず、宇宙空間プラズマと月面が相互作用した結果、帯電現象が発生している。月面の帯電状態は、太陽風や磁気圏のプラズマの流入と、太陽光照射による光電子放出のバランスによって決定されるとされており、全球規模から地形スケール、さらにはレゴリスに至るまで、様々な空間スケールで帯電現象が起きていると考えられている。帯電に伴う静電気力により、月面ではレゴリス中のダストが舞い上がることが想定されている。アポロ計画の際には、ダストによる宇宙服や機器の故障、人体への悪影響などの問題が報告されている。したがって、月面利用に先立ち帯電環境の理解が重要であるが、現在は正確な測定方法が確立されていない。この手法を、計算機シミュレーションを通じて考案することを本研究の目的としている。この目的を達成するためには、太陽風中と磁気圏中や、日照・日陰で条件が異なることから様々なパターンのシミュレーションを行う必要があるが、計算時間が長いという問題があった。本研究では計算時間の短縮を第一段階として目指し、具体的には3次元ではなく2次元でのシミュレーションの実行を試みた。
本研究においては、様々なプラズマ環境下における月面の環境を模擬するため、プラズマ中の物体の帯電を解くことができる3次元空間シミュレーションコード「EMSES」を用いる。本研究では、計算時間の短縮化を図る目的で、2次元でのシミュレーションを行なう方針とした。3次元空間におけるプラズマ中の導体の電流-電圧特性の理論式から2次元空間の場合を導出し、2次元で実行したEMSESの結果と比較することで、2次元空間における導体の電流-電圧特性を理論的に求めることができることを確認した。現在、2次元空間において、月面に設置された機器からプローブを鉛直方向に伸展し、電流-電圧特性を取得するシミュレーションを実行し、月面環境における特異性を調査している。本発表では、2次元空間プラズマ中における導体の電流-電圧特性についての理論式およびその実証と、月面に設置された機器で取得される電流-電圧特性に関しての結果を報告する。