11:15 〜 11:30
[PPS01-09] 集積後の分化に伴うガニメデの衛星半径と内部構造の進化
キーワード:ガニメデ、熱進化
木星の巨大氷衛星であるガニメデは,太陽系の衛星で唯一固有磁場を持っていることから,導電性の液体金属の核が存在し,金属核内で対流が発生していると考えられている.また,規格化された慣性能率から,内部は金属核,岩石マントル,H2O層に完全に分化していると考えられ,H2O層には内部海の存在が示唆されている.さらに,ガニメデの表面は,衛星の膨張により形成されたと考えられる溝状地形に覆われている.これらの特徴はガニメデの進化の結果を表すが,表面温度が非常に低いガニメデの衛星内部が,金属が溶融できるほど,高温に達し,固有磁場を生成するような金属核の対流が発生するという進化の過程は十分に理解されていない.ガニメデの進化過程は,同じ木星の氷衛星であるエウロパが,なぜ固有磁場を持たないのか,同程度のサイズである巨大氷衛星のカリスト・タイタンと内部構造や表層環境はなぜ大きく異なるのかという衛星の形成・進化における疑問を明らかにする重要な足がかりとなる.また,内部海が存在する可能性があることから,ガニメデはアストロバイオロジーの観点からも重要な天体である.
従来のガニメデ進化モデルは金属核,岩石マントル,H2O層に完全に,または,部分的に分化した状態を初期条件としている.しかし,集積加熱と放射壊変熱のみを考慮した場合,形成直後は未分化である可能性がある.もし,形成直後が分化した状態の場合,衛星半径の変化は主にH2O 層の相変化によって生じる.一方,形成直後が未分化である場合,集積後の進化過程で分化が発生し,内部の層構造や密度構造が変化することで,衛星半径は大きく変化する.衛星半径の変化が発生するタイミングは分化の発生時期に依存するため、ガニメデの進化過程の中盤に溝状地形が形成された可能性がある.さらに,形成直後が未分化の場合,金属核と固有磁場の形成は可能かという点は改めて検討する必要がある.そこで本研究では,従来考慮されていなかったH2O 氷の溶融による岩石とH2O 水の分化,岩石マントルの水和と脱水,金属成分の溶融による岩石と金属の分化を組み込んだガニメデの一次元熱・構造進化モデルを構築し,ガニメデの形成直後が未分化である場合の進化過程を明らかにする.
計算の結果,ガニメデの集積直後が未分化の場合,岩石と H2O 氷の分化に 15 億年程度を要することが分かった.この時,氷の相変化によって衛星半径は約 2.5% 増大する.また,集積後約 15 億年頃には含水鉱物の脱水が始まり,衛星半径は約 0.1% 減少する.さらに,金属核の形成は集積後約 25 億年頃に始まる.また,岩石と液体 H2O の分化,含水鉱物の脱水反応やH2O層と岩石マントル境界における氷の溶融によって生成された液体 H2O はすぐに固化し,内部海は長期間存在できないことも分かった.さらに,岩石マントルから金属核へ熱が輸送され続けるため,金属核の温度が上昇し続け,熱対流は発生しないことが分かった.
これらの計算結果から,溝状地形は岩石と H2O 氷の分化による衛星半径の膨張によって,集積後約 15 億年までに形成された可能性がある.また,内部海を維持するためには,潮汐による加熱,または,固相対流によって,H2O 層への衛星内部の熱の効率的な輸送が必要である.さらに,固相対流により金属核が冷却され,熱対流が発生し,固有磁場が生成させる可能性がある.
従来のガニメデ進化モデルは金属核,岩石マントル,H2O層に完全に,または,部分的に分化した状態を初期条件としている.しかし,集積加熱と放射壊変熱のみを考慮した場合,形成直後は未分化である可能性がある.もし,形成直後が分化した状態の場合,衛星半径の変化は主にH2O 層の相変化によって生じる.一方,形成直後が未分化である場合,集積後の進化過程で分化が発生し,内部の層構造や密度構造が変化することで,衛星半径は大きく変化する.衛星半径の変化が発生するタイミングは分化の発生時期に依存するため、ガニメデの進化過程の中盤に溝状地形が形成された可能性がある.さらに,形成直後が未分化の場合,金属核と固有磁場の形成は可能かという点は改めて検討する必要がある.そこで本研究では,従来考慮されていなかったH2O 氷の溶融による岩石とH2O 水の分化,岩石マントルの水和と脱水,金属成分の溶融による岩石と金属の分化を組み込んだガニメデの一次元熱・構造進化モデルを構築し,ガニメデの形成直後が未分化である場合の進化過程を明らかにする.
計算の結果,ガニメデの集積直後が未分化の場合,岩石と H2O 氷の分化に 15 億年程度を要することが分かった.この時,氷の相変化によって衛星半径は約 2.5% 増大する.また,集積後約 15 億年頃には含水鉱物の脱水が始まり,衛星半径は約 0.1% 減少する.さらに,金属核の形成は集積後約 25 億年頃に始まる.また,岩石と液体 H2O の分化,含水鉱物の脱水反応やH2O層と岩石マントル境界における氷の溶融によって生成された液体 H2O はすぐに固化し,内部海は長期間存在できないことも分かった.さらに,岩石マントルから金属核へ熱が輸送され続けるため,金属核の温度が上昇し続け,熱対流は発生しないことが分かった.
これらの計算結果から,溝状地形は岩石と H2O 氷の分化による衛星半径の膨張によって,集積後約 15 億年までに形成された可能性がある.また,内部海を維持するためには,潮汐による加熱,または,固相対流によって,H2O 層への衛星内部の熱の効率的な輸送が必要である.さらに,固相対流により金属核が冷却され,熱対流が発生し,固有磁場が生成させる可能性がある.