11:30 〜 11:45
[PPS01-10] ガニメデ金属核のサイズと組成の制約:核の凝固過程とダイナモ磁場発生の評価
キーワード:ガニメデ、磁場、熱進化、氷衛星
木星衛星ガニメデでは、1996年におけるガリレオ探査機の磁場観測によって全球的な固有磁場の存在が発見された。この磁場が赤道付近の表面強度が約720 nTの双極子で良く近似できることから、ガニメデは金属核と核内ダイナモを持つ。金属核の存在は、重力場観測で得られた慣性能率因子(0.3156+/-0.0125)の小ささによっても裏付けられている。核ダイナモが発生し磁場が維持されるためには、(1)核の少なくとも一部が融解しており、(2)核が十分な速度で冷却され、(3)融解核内の流速(磁気レイノルズ数)が磁場を維持できるよう十分大きい、という条件を満たす必要がある。ガニメデ内部は慣性能率の制約にもとづいて最外部のH2O層、岩石マントル層、中心の金属核の3層構造を持つと予想され、その熱状態は、主要な熱源である放射性同位体を含む岩石マントルとダイナモを生む金属核の体積や物性に大きく依存する。しかしながら、慣性能率のみに基づく現状の推定は不定性が大きく、例えば核半径はFe-FeS系組成で仮定する密度に従って660-1110 kmの範囲をとり得る。こうした内部構造の違いは現在の熱状態を大きく変えうることから、仮定される内部構造の範囲における熱進化を計算し、上記の条件にもとづいて磁場が発生可能な内部構造の範囲を特定することが必要である。
本研究では、慣性能率を満たす様々な内部構造に対して46億年間の熱進化シミュレーションを行い、現在の熱状態を上記の3条件で評価することで、核ダイナモによる磁場発生が可能な内部構造の範囲を探索する。具体的には、岩石マントルでの伝導と対流による熱輸送を考慮した修正混合距離理論による一次元エネルギー方程式を解き、金属核内では断熱温度分布を仮定した。ガニメデ内部分化完了直後の全溶融核を初期状態とし、初期の核内温度は仮定した核密度(硫黄含有量)での融点、マントル温度は上部を300 Kとし核への線形分布とした。長寿命放射性同位体(238U、235U、232Th、40K)の崩壊熱をマントル中の熱源とし、それらの濃集度がCIコンドライトに等しいと仮定した。また、内部温度構造の変化と硫黄含有量に従った核内での凝固過程を考慮し、硫黄含有量がFe-FeS系の共晶組成より少ない場合は中心から固体Fe内核が成長し、共晶組成より多い場合は核マントル境界から固体FeS外核が成長すると仮定した。その際に発生する潜熱と重力エネルギーを核内の熱源として考慮した。さらに、核の熱伝導率・電気伝導率の硫黄含有量依存性と温度依存性を考慮した。
計算の結果得られた現在の核の状態は、核の硫黄含有量が0 wt.%の場合は全体が固化した。これは、核の融点が高いことで初期の核とマントルの温度も高く、従ってマントルによる冷却効率が高いことが核の固化を早めてしまうためである。8-32 wt.%の場合は、核は融解状態にあるものの十分な対流が発生しない。36 wt.%の場合は核が融解し対流が生じるが、磁気レイノルズ数が小さすぎることが分かった。硫黄含有量が大きいほど熱伝導率が小さくなるため、流体核表面での断熱温度勾配が小さくなり対流が起こりやすい。また電気伝導率が小さくなるため、磁気レイノルズ数が小さくなり磁場が維持しにくくなる。
本研究では、慣性能率を満たす様々な内部構造に対して46億年間の熱進化シミュレーションを行い、現在の熱状態を上記の3条件で評価することで、核ダイナモによる磁場発生が可能な内部構造の範囲を探索する。具体的には、岩石マントルでの伝導と対流による熱輸送を考慮した修正混合距離理論による一次元エネルギー方程式を解き、金属核内では断熱温度分布を仮定した。ガニメデ内部分化完了直後の全溶融核を初期状態とし、初期の核内温度は仮定した核密度(硫黄含有量)での融点、マントル温度は上部を300 Kとし核への線形分布とした。長寿命放射性同位体(238U、235U、232Th、40K)の崩壊熱をマントル中の熱源とし、それらの濃集度がCIコンドライトに等しいと仮定した。また、内部温度構造の変化と硫黄含有量に従った核内での凝固過程を考慮し、硫黄含有量がFe-FeS系の共晶組成より少ない場合は中心から固体Fe内核が成長し、共晶組成より多い場合は核マントル境界から固体FeS外核が成長すると仮定した。その際に発生する潜熱と重力エネルギーを核内の熱源として考慮した。さらに、核の熱伝導率・電気伝導率の硫黄含有量依存性と温度依存性を考慮した。
計算の結果得られた現在の核の状態は、核の硫黄含有量が0 wt.%の場合は全体が固化した。これは、核の融点が高いことで初期の核とマントルの温度も高く、従ってマントルによる冷却効率が高いことが核の固化を早めてしまうためである。8-32 wt.%の場合は、核は融解状態にあるものの十分な対流が発生しない。36 wt.%の場合は核が融解し対流が生じるが、磁気レイノルズ数が小さすぎることが分かった。硫黄含有量が大きいほど熱伝導率が小さくなるため、流体核表面での断熱温度勾配が小さくなり対流が起こりやすい。また電気伝導率が小さくなるため、磁気レイノルズ数が小さくなり磁場が維持しにくくなる。