日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS01] Outer Solar System Exploration Today, and Tomorrow

2025年5月30日(金) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:木村 淳(大阪大学)、佐柳 邦男 M(NASA Langley Research Center)、土屋 史紀(東北大学大学院理学研究科惑星プラズマ・大気研究センター)、丹 秀也(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

17:15 〜 19:15

[PPS01-P01] JUICE搭載ガニメデレーザ高度計(GALA): 2024年の月フライバイを利用した試験の報告および2026年の地球フライバイ時の試験計画

*塩谷 圭吾1,2、小林 正規3、野田 寛大4,2荒木 博志4,2竝木 則行4,2木村 淳5押上 祥子6、東原 和行1斎藤 義文1、リンゲナウバー カイ7、スターク アレクサンダー7、フスマン ハウケ7 (1.宇宙研、2.総研大、3.千葉工大、4.国立天文台、5.大阪大、6.情報通信機構、7.ドイツ航空宇宙センター)

キーワード:JUICE、GALA、木星、ガニメデ、レーザ高度計、軌道上試験

本講演では,JUICE搭載ガニメデレーザ高度計(Ganymede Laser Altimeter:GALA)について,特に2024年の月フライバイを利用した試験の報告および2026年の地球フライバイ時の試験計画に重点を置いて報告する.

ガニメデレーザ高度計(Ganymede Laser Altimeter:GALA)は,欧州宇宙機関(ESA)が主導する木星氷衛星探査機(JUICE)に搭載されている科学観測機器のひとつである.GALAは氷天体に適用される初めてのレーザ高度計である.GALAの科学目標の柱は(1)地形情報にもとづく氷テクトニクスの理解,(2)潮汐応答の測定を通した内部構造の理解(地下海の存否確認や特徴把握を含む),(3)表面の小規模粗度と反射率の理解,である.地下海を含むサイエンスは,アストロバイオロジーの観点からも意義が大きい.GALAの開発はドイツを中心に,日本,スイス,スペインのチームによる国際協力によって行った.日本チームは心臓部とも言える受信部の3つのモジュール(後置光学系モジュール(BEO),焦点面機器モジュール(FPA),アナログエレクトロニクスモジュール(AEM))の開発を担当している.そのほか日本チームはGALA全体の機能性能をシミュレートするソフトウエアであるパフォーマンスモデルの開発も行っている.

JUICEの打ち上げ後,2023年5月に行ったGALAの初期チェックアウトでは,確認した項目すべての結果が適正であった.2024年8月にはJUICEの月フライバイを利用したGALAの月面レンジング試験が計画された.しかし,GALAに予期しないリブートが起きたため,月面レンジング試験は実行できなかった.その代替の機会として,同年9月に受信系限定ながら機能試験を行うためGALAは地球を観測し,太陽反射光を適切に受光することに成功した.月フライバイ時に起きたリブートに関しては,GALAチームは原因究明のための調査・実験を行った.また2026年にはJUICEの地球フライバイを利用した,GALAのレンジング試験キャンペーンが計画されている.

予期しないリブートは起きたものの,打上げから現在に至るまで,GALA自身の故障は確認されていない.本講演では,GALAの概略を簡単に示した上,軌道上試験の結果およびそれに関する調査結果,また計画中の地球フライバイを利用したレンジング試験キャンペーンについて報告する.