日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS03] 太陽系小天体:太陽系の形成と進化における最新成果と今後の展望

2025年5月30日(金) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:荒川 創太(海洋研究開発機構)、岡田 達明(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、吉田 二美(産業医科大学)、深井 稜汰(宇宙航空研究開発機構)


17:15 〜 19:15

[PPS03-P15] 月軌道以下まで接近した地球接近小惑星 "2024 MK" の偏光観測によるスペクトルタイプの決定

*土井 知也1高木 聖子1関口 朋彦2 (1.北海道大学大学院理学院、2.北海道教育大学)


キーワード:小惑星、地球接近小惑星、プラネタリー・ディフェンス、偏光観測、地上観測

近年の観測機器、技術の向上により小惑星の発見個数は140万個にのぼり、中でも地球に近い軌道を持つ「地球接近小惑星(NEAs)」の発見個数は4万個に近づいている。しかし、未だ発見できていないものも多く、発見はできていてもその組成や特徴が十分に理解されていない小惑星が多数存在している。特にNEAsは地球に衝突する危険性を持っているため「プラネタリー・ディフェンス」の観点から、その軌道やサイズ、組成などを予め導出しておくことは、衝突回避や災害規模の推定のためにも非常に重要である。
 観測ターゲットとした「2024 MK」は、2024年6月16日に小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)によって発見され、約2週間後の6月29日には月軌道の75 %付近を通過し、7月2日には最大位相角(太陽ー小惑星ー地球のなす角)が101度に達することが分かった。観測者らは、直径約140 mの大きなサイズの小惑星が接近するこの観測機会に、北海道大学大学院理学院が北海道名寄市に所有している、主鏡口径1.6 mピリカ望遠鏡と搭載されている撮像装置MSI [Watanabe et al., 2012]を用いた可視光偏光観測を、6月29日の再接近夜と、7月2日の位相角最大夜の2晩行った。このサイズ、接近距離の小惑星の偏光観測例は今までにはなく、世界初の試みであった。
 本研究の偏光観測から得られた偏光度からは、NEAsには少ない炭素質であるCタイプ小惑星と同様の特徴を確認することができた。一方、同時期に分光観測を行った先行研究では、NEAsに多い石質のSタイプ小惑星と結論づけている [McGraw et al., 2024]。この結果の違いについて議論していく。