日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 P (宇宙惑星科学) » P-PS 惑星科学

[P-PS04] Mercury Science and Exploration

2025年5月25日(日) 09:00 〜 10:30 304 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:村上 豪(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、相澤 紗絵(Laboratoire de Physique des Plasmas, CNRS)、原田 裕己(京都大学理学研究科)、鎌田 俊一(北海道大学 理学研究院)、座長:村上 豪(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)、原田 裕己(京都大学理学研究科)、鎌田 俊一(北海道大学 理学研究院)

10:15 〜 10:30

[PPS04-06] 特徴的な磁場窪み構造からみる水星磁気圏夜側電流構造の統計解析

*小川 琢郎1篠原 育2村上 豪2相澤 紗絵3 (1.東京大学、2.宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所、3.プラズマ物理学研究所)


キーワード:水星、磁気圏

水星には磁気圏があることは広く知られている.地球磁気圏とよく似た磁気圏構造も有している一方で,磁場固有磁場の強さや受ける太陽風の強さといった物理条件の違いによって,水星磁気圏特有の現象が起こることや,地球磁気圏によく似た現象であっても空間・時間スケールが大きく異なり得ることがわかっている.過去水星磁気圏を周回探査した衛星はMESSENGERのみである.しかし,MESSENGERは様々な制約を抱えていたため,その詳細は明らかになっていないことが多く残っている.

MESSENGERで観測された磁場データに注目すると,磁気圏夜側領域に特徴的な窪み構造が確認できる.衛星がほとんど同じ領域を通過する連続した周回においても,この窪み構造が観測される場合と観測されない場合がある.このことから,この構造は数時間程度の時間スケールで変化していると考えられる.
本構造は先行研究ではplasma sheetによるものであると結論付けられており,それ以上の踏み込んだ研究はされてこなかった.しかし,この窪み構造の磁場成分に注目すると,水星近傍で観測されるものと尾部で観測されるものでは特徴が異なっている.このことから特に水星近傍で観測される構造はplasma sheet以外の何らかの磁気圏構造の影響を受けていると考えられる.

本研究ではこの構造を「depression」とよび,磁場及びプラズマデータからの解析を行った.その結果,depressionが磁場を用いた電流計算,プラズマの温度・ピッチ角異方性及び太陽風動圧との関係から,従来その詳細が明らかになっていない夜側領域でのring currentが重要な役割を果たしていることを示唆する結果を得た.
本講演では研究の現状について報告する.