17:15 〜 19:15
[PPS06-P07] 惑星気候の長期的安定性に関する理論研究:炭素循環システムとデイジーワールド
キーワード:地球、モデル
地球のようなハビタブルな惑星は、液体の水が存在する条件を満たしていなければならない。液体の水が存在する条件は、温暖で湿潤な気候である。このような条件を維持するためには、気候を長期的に安定させる負のフィードバック機構が必要である。
地球では、炭素循環システムにおける化学風化フィードバック(ウォーカー・フィードバック)がよく知られている。これは、大陸地殻を構成する珪酸塩鉱物の化学的風化反応は温度依存性を有するため、大気中の二酸化炭素濃度を調節し、地球の気候を長期的に安定化する。これは地球のように地表に海と大陸が存在する惑星では普遍的なプロセスと考えられている。
一方で、惑星の気候を長期的に安定させるための負のフィードバックとしては、もうひとつのメカニズムがよく知られている。それはデイジーワールドである。この惑星の表面は、白と黒の2種類のデイジーで覆われている。これらの成長速度の温度依存性と白と黒のアルベドによる負のフィードバック(以下、デイジーアルベドフィードバックと呼ぶ)よって、太陽光度の広い範囲にわたって惑星表面の温度を安定化させる。これは、概念的に単純化された惑星気候システムのモデルといえる。
これら2つのフィードバックは、どちらも惑星の気候を長期的に安定させるメカニズムではあるが、ウォーカーフィードバックは大気の温室効果による気候の調節機構であるのに対してデイジーアルベドフィードバックは地表面アルベドによる気候の調節機構である。
しかし、ウォーカーフィードバックは大陸地殻の化学的風化反応に基づいているため、気温だけでなく、降水量、陸海の分布、植生などにも依存する。一方、デイジーは陸上植物であるため、その成長速度は気温だけでなく、大気中の二酸化炭素濃度、降水量、陸海の分布にも依存するはずである。つまり、この2つは互いに影響し合っているはずである。本研究では、炭素循環システムとデイジーワールドシステムを結合した候モデルを開発し、惑星気候の長期安定性について議論する。
まず、0次元エネルギー収支気候モデルに炭素循環及びデイジーワールドを結合したモデルを用いて、惑星と中心星の進化過程における2つのフィードバックの影響と相互作用を調べた。その結果、デイジーワールドのアルベドフィードバックは、デイジーが成長できる太陽光度の範囲において優位であり、デイジーワールドのアルベドフィードバックによって気候が安定化することがわかった。このような条件下では、地表面温度はデイジーの最適温度で一定に保たれる。一方で、ウォーカーフィードバックは、デイジーが成長できる条件以外でも、より広い太陽光度範囲で有効であった。
次に、南北1次元エネルギー収支気候モデルに炭素循環及びデイジーワールドを結合したモデルを用いた検討を行った。1次元モデルでは、デイジーの存在が赤道と極の温度差を減少させることが特色である。0次元モデルと同様、デイジーアルベドフィードバックが支配的な太陽光度の条件範囲があるほか、ウォーカーフィードバックとデイジーアルベドフィードバックの相乗効果によって、気候安定化の効果が増大することがわかった。
ウォーカーフィードバックとデイジーアルベドフィードバックの相対的な重要性は、陸と海の分布、すなわち大陸と海洋の面積比に依存することも示された。すなわち、陸地面積が小さいほど、ウォーカーフィードバックによってCO2供給率が化学風化によるCO2消費率と釣り合うようにpCO2が高くなって気候は温暖化する一方で、デイジーの被覆面積が制限されることによってデイジーアルベドフィードバックの効果は相対的に弱くなる。
地球では、炭素循環システムにおける化学風化フィードバック(ウォーカー・フィードバック)がよく知られている。これは、大陸地殻を構成する珪酸塩鉱物の化学的風化反応は温度依存性を有するため、大気中の二酸化炭素濃度を調節し、地球の気候を長期的に安定化する。これは地球のように地表に海と大陸が存在する惑星では普遍的なプロセスと考えられている。
一方で、惑星の気候を長期的に安定させるための負のフィードバックとしては、もうひとつのメカニズムがよく知られている。それはデイジーワールドである。この惑星の表面は、白と黒の2種類のデイジーで覆われている。これらの成長速度の温度依存性と白と黒のアルベドによる負のフィードバック(以下、デイジーアルベドフィードバックと呼ぶ)よって、太陽光度の広い範囲にわたって惑星表面の温度を安定化させる。これは、概念的に単純化された惑星気候システムのモデルといえる。
これら2つのフィードバックは、どちらも惑星の気候を長期的に安定させるメカニズムではあるが、ウォーカーフィードバックは大気の温室効果による気候の調節機構であるのに対してデイジーアルベドフィードバックは地表面アルベドによる気候の調節機構である。
しかし、ウォーカーフィードバックは大陸地殻の化学的風化反応に基づいているため、気温だけでなく、降水量、陸海の分布、植生などにも依存する。一方、デイジーは陸上植物であるため、その成長速度は気温だけでなく、大気中の二酸化炭素濃度、降水量、陸海の分布にも依存するはずである。つまり、この2つは互いに影響し合っているはずである。本研究では、炭素循環システムとデイジーワールドシステムを結合した候モデルを開発し、惑星気候の長期安定性について議論する。
まず、0次元エネルギー収支気候モデルに炭素循環及びデイジーワールドを結合したモデルを用いて、惑星と中心星の進化過程における2つのフィードバックの影響と相互作用を調べた。その結果、デイジーワールドのアルベドフィードバックは、デイジーが成長できる太陽光度の範囲において優位であり、デイジーワールドのアルベドフィードバックによって気候が安定化することがわかった。このような条件下では、地表面温度はデイジーの最適温度で一定に保たれる。一方で、ウォーカーフィードバックは、デイジーが成長できる条件以外でも、より広い太陽光度範囲で有効であった。
次に、南北1次元エネルギー収支気候モデルに炭素循環及びデイジーワールドを結合したモデルを用いた検討を行った。1次元モデルでは、デイジーの存在が赤道と極の温度差を減少させることが特色である。0次元モデルと同様、デイジーアルベドフィードバックが支配的な太陽光度の条件範囲があるほか、ウォーカーフィードバックとデイジーアルベドフィードバックの相乗効果によって、気候安定化の効果が増大することがわかった。
ウォーカーフィードバックとデイジーアルベドフィードバックの相対的な重要性は、陸と海の分布、すなわち大陸と海洋の面積比に依存することも示された。すなわち、陸地面積が小さいほど、ウォーカーフィードバックによってCO2供給率が化学風化によるCO2消費率と釣り合うようにpCO2が高くなって気候は温暖化する一方で、デイジーの被覆面積が制限されることによってデイジーアルベドフィードバックの効果は相対的に弱くなる。