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[PPS07-P10] 破壊型トモグラフィーによるコンドリュールの3次元可視化と観察
キーワード:コンドリュール、3次元可視化、トモグラフィー、観察、惑星形成
Introduction: 惑星形成の初期条件を知るためには、ダスト粒子がどのように微惑星スケールの天体へと集積したかを知ることが重要である[1ほか]。一般には、コンドリュールは直径1mm程度の球状の固体物質とされている。一方で、楕円状のものや扁平なものなど多様な形状のコンドリュールもしばしば見られる[2ほか]。コンドリュールの変形は円盤・母天体いずれかにおいてコンドリュールが受けた加熱や衝突の過程を表している[3,4]。一部は微惑星への集積過程において生じた可能性があるため、多様な形状の成因を解明することはダスト集積における物理的条件を解明する手がかりとなる。しかし、断面画像からは、粒子の3次元形状を正確に計測することは不可能である。断面画像を3次元に再構成するトモグラフィー法を用いて3次元形状を測定することで形状の成因を議論できる。加えて、粒子表面・内部の色彩を得ることにより、粒子形状の形成以降に受けた二次的な過程を区別して認識することができる。
Method: まず、Allende隕石(CV3コンドライト)の隕石片(1880mm3)を樹脂に埋めて試料を作成した。作成した試料は 5μmごとに鏡面研磨し、研磨した面ごとに高性能デジタルカメラ(所有:北海道大学、解像度:240Mpx、視野:23.443mm×15.629mm、ピクセルサイズ:1.23μm)で撮影した。作成した画像は、計2343枚(24ビットRGB TIFF形式)である。本研究では、断面画像中に見られるコンドリュールの中から、外形が円形のもの2粒子と、外形が不規則形状のもの2粒子に着目した。4粒子それぞれの断面画像をソフトウェア(Amira)上で積層し再構成することで、各粒子のフルカラー3Dモデルの表面及び内部を360度方向で観察した。
Results: 3次元可視化の結果、着目した4粒子のうち、球形のコンドリュールが2粒子、非球形のコンドリュールが2粒子見られた。球形のコンドリュールには、表面の1か所に深さ0.1mm程度の円形のくぼみがあるコンドリュールと、付属的な組織を有する複合コンドリュールが観察できた。断面画像上では、くぼみのあるコンドリュールは完全溶融した組織が見られる一方、複合コンドリュールには斑状の組織がみられた。一方、非球形のコンドリュールには、ある一方向に対して平板な面をもつコンドリュールと、角型のコンドリュールが観察できた。断面画像上では、平板な面を持つコンドリュールには完全溶融した組織が見られる一方、角型のコンドリュールには斑状の組織が見られた。
Discussion: 一般的にコンドリュールは、円盤中のダストが加熱され溶融したのちに急冷して形成される[5ほか]。溶融が起きた間に働く重力と遠心力により、基本的には球形のコンドリュールが形成される。本研究では、球形のコンドリュール表面に円形のくぼみが見られた。球形のコンドリュールに見られたくぼみは、コンドリュール形成後の二次的な影響を反映している可能性がある。二次的な影響の例は、コンドリュール形成後にダスト粒子の衝突[6]と考えられる。つまりこの球形コンドリュールの二次的な変形は、コンドリュール形成後の円盤で起きたことを示唆している。一方で、本研究で観察された複合コンドリュールは、2つのコンドリュールが同じ温度になる前に互いに衝突して形成されたもの[6]と考えられる。
非球形のコンドリュールは、球形のコンドリュールに比べて大きな衝突過程や、母天体での破砕過程を受けたと考えられる。平板な面をもつコンドリュールの成因は、2つの説が議論されている[7,8]。一つは円盤上での変形過程で、コンドリュール形成前の液滴の高速回転の遠心力や星雲ガスの動圧によって変形が生じることが知られている[7]。平板な面をもつコンドリュールには完全溶融した組織が見られたことから、コンドリュール形成前の過程を長時間受けていた可能性がある。一方で、コンドライト母天体が受けた衝撃によって変形した説が挙げられる [8]。現在は2つの説を完全に見分けることは出来ていないが、今後、コンドリュールの3Dモデルの形状やくぼみの解析を行うことで、2つの説を定量的に見分けることができると考える。一方で角型のコンドリュールの成因は、ダスト粒子の衝突による二次的破壊と考えられるが[2]、これまでには十分に議論されていない。今後、角型のコンドリュールの破砕面の観察等を通して、形成過程の制約に迫る。
[1] Okuzumi et al., 2012 [2] Kitamura, 1989 [3] Nakamura et al., 2012 [4] Forman et al., 2023
[5] Wakita, 2022 [6] Tsuchiyama et al., 2000 [7] Uesugi et al., 2006 [8] Lindgren et al., 2015
Method: まず、Allende隕石(CV3コンドライト)の隕石片(1880mm3)を樹脂に埋めて試料を作成した。作成した試料は 5μmごとに鏡面研磨し、研磨した面ごとに高性能デジタルカメラ(所有:北海道大学、解像度:240Mpx、視野:23.443mm×15.629mm、ピクセルサイズ:1.23μm)で撮影した。作成した画像は、計2343枚(24ビットRGB TIFF形式)である。本研究では、断面画像中に見られるコンドリュールの中から、外形が円形のもの2粒子と、外形が不規則形状のもの2粒子に着目した。4粒子それぞれの断面画像をソフトウェア(Amira)上で積層し再構成することで、各粒子のフルカラー3Dモデルの表面及び内部を360度方向で観察した。
Results: 3次元可視化の結果、着目した4粒子のうち、球形のコンドリュールが2粒子、非球形のコンドリュールが2粒子見られた。球形のコンドリュールには、表面の1か所に深さ0.1mm程度の円形のくぼみがあるコンドリュールと、付属的な組織を有する複合コンドリュールが観察できた。断面画像上では、くぼみのあるコンドリュールは完全溶融した組織が見られる一方、複合コンドリュールには斑状の組織がみられた。一方、非球形のコンドリュールには、ある一方向に対して平板な面をもつコンドリュールと、角型のコンドリュールが観察できた。断面画像上では、平板な面を持つコンドリュールには完全溶融した組織が見られる一方、角型のコンドリュールには斑状の組織が見られた。
Discussion: 一般的にコンドリュールは、円盤中のダストが加熱され溶融したのちに急冷して形成される[5ほか]。溶融が起きた間に働く重力と遠心力により、基本的には球形のコンドリュールが形成される。本研究では、球形のコンドリュール表面に円形のくぼみが見られた。球形のコンドリュールに見られたくぼみは、コンドリュール形成後の二次的な影響を反映している可能性がある。二次的な影響の例は、コンドリュール形成後にダスト粒子の衝突[6]と考えられる。つまりこの球形コンドリュールの二次的な変形は、コンドリュール形成後の円盤で起きたことを示唆している。一方で、本研究で観察された複合コンドリュールは、2つのコンドリュールが同じ温度になる前に互いに衝突して形成されたもの[6]と考えられる。
非球形のコンドリュールは、球形のコンドリュールに比べて大きな衝突過程や、母天体での破砕過程を受けたと考えられる。平板な面をもつコンドリュールの成因は、2つの説が議論されている[7,8]。一つは円盤上での変形過程で、コンドリュール形成前の液滴の高速回転の遠心力や星雲ガスの動圧によって変形が生じることが知られている[7]。平板な面をもつコンドリュールには完全溶融した組織が見られたことから、コンドリュール形成前の過程を長時間受けていた可能性がある。一方で、コンドライト母天体が受けた衝撃によって変形した説が挙げられる [8]。現在は2つの説を完全に見分けることは出来ていないが、今後、コンドリュールの3Dモデルの形状やくぼみの解析を行うことで、2つの説を定量的に見分けることができると考える。一方で角型のコンドリュールの成因は、ダスト粒子の衝突による二次的破壊と考えられるが[2]、これまでには十分に議論されていない。今後、角型のコンドリュールの破砕面の観察等を通して、形成過程の制約に迫る。
[1] Okuzumi et al., 2012 [2] Kitamura, 1989 [3] Nakamura et al., 2012 [4] Forman et al., 2023
[5] Wakita, 2022 [6] Tsuchiyama et al., 2000 [7] Uesugi et al., 2006 [8] Lindgren et al., 2015