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[PPS08-11] かぐや(SELENE)が観測した月周辺電子エネルギースペクトルの自動分類と地理的相関
キーワード:月、かぐや衛星、プラズマ環境、自動分類、電子エネルギースペクトル
1960年代から1970年代にかけて、月面周回衛星や月面に設置されたプラズマ計測装置によって、月周辺の低エネルギー帯電粒子の観測が活発に行われ、多くの新しい発見が報告された。月面とその周囲のプラズマ環境は複雑に相互作用しており、表面電位の変化や磁場の影響、プラズマダイナミクスなど、さまざまな現象を引き起こしている。低高度での観測を行った日本の月探査衛星「かぐや(SELENE)」は、これらの現象を解明する上で重要なデータを提供した。その中でも、搭載されたElectron Spectrum Analyzer(ESA)は、月面近傍での電子の動態を観測し、電子エネルギーフラックススペクトルの解析を通じて、磁場強度や表面電位といった物理量を明らかにすることに貢献した。
本研究では、日本の月探査衛星「かぐや(SELENE)」が取得した電子エネルギースペクトルデータを用い、月周辺のプラズマ環境における電子の挙動を多角的に解析した。具体的には、主成分分析(PCA)とk-meansクラスタリングを組み合わせた無教師分類手法を適用し、電子エネルギーフラックススペクトルを体系的に分類した。その結果、ロスコーンの顕著さや局所磁場強度、昼夜条件などによって特徴づけられる複数のクラスタが抽出され、それぞれが月面地理座標上で異なる分布特性を示すことが明らかとなった。
さらに、月面観測装置(ESA)が取得した複数方向のエネルギースペクトルを利用して、電子のピッチ角分布や月面からの反射・散逸の度合いを評価したところ、強い地殻磁場をもつ領域では高エネルギー帯でも顕著なロスコーン構造が確認される一方、深夜帯や光電子の供給が限られる時間帯には月面側フラックスが著しく低下するクラスタが認められた。これらの結果は、月周辺の電子エネルギー分布を地理的条件や磁場強度との関連で統合的に理解するうえで重要な知見を提供する。今後の月探査ミッションや大規模データ解析手法の開発において、本研究の成果が新たなアプローチや観測戦略の検討に寄与することが期待される。
本研究では、日本の月探査衛星「かぐや(SELENE)」が取得した電子エネルギースペクトルデータを用い、月周辺のプラズマ環境における電子の挙動を多角的に解析した。具体的には、主成分分析(PCA)とk-meansクラスタリングを組み合わせた無教師分類手法を適用し、電子エネルギーフラックススペクトルを体系的に分類した。その結果、ロスコーンの顕著さや局所磁場強度、昼夜条件などによって特徴づけられる複数のクラスタが抽出され、それぞれが月面地理座標上で異なる分布特性を示すことが明らかとなった。
さらに、月面観測装置(ESA)が取得した複数方向のエネルギースペクトルを利用して、電子のピッチ角分布や月面からの反射・散逸の度合いを評価したところ、強い地殻磁場をもつ領域では高エネルギー帯でも顕著なロスコーン構造が確認される一方、深夜帯や光電子の供給が限られる時間帯には月面側フラックスが著しく低下するクラスタが認められた。これらの結果は、月周辺の電子エネルギー分布を地理的条件や磁場強度との関連で統合的に理解するうえで重要な知見を提供する。今後の月探査ミッションや大規模データ解析手法の開発において、本研究の成果が新たなアプローチや観測戦略の検討に寄与することが期待される。