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[PPS08-P03] 月面天文台TSUKUYOMI:科学と開発状況
キーワード:アルテミス計画、月面天文台、電波干渉計
月面は天文台の建設には厳しい環境であるが、月の裏側は観測天文学最後のフロンティアとされ、特に周波数約10MHz以下(波長30m以上)の電波天文学にとって非常に適した観測サイトである。 この環境を利用した月面天文台として、我々はメートル波電波干渉計TSUKUYOMI: Lunar (=TSUKU in Japanese)-YOnder Meter-wave Interferometric arrayの設置を提案し、概念設計ならびに要素技術の開発を行っている。この実現により、地上ならびに地球周回軌道上では得られない、メートル波・デカメートル波の高感度・高空間分解能観測が可能となる。
TSUKUYOMIの主たる観測対象は、宇空論最後の未開拓分野である宇宙進化初期の「暗黒時代」である。波長21cm、周波数1420MHzの中性水素線は、物質分布の情報を提示する。 宇宙初期の放射の波長は、宇宙膨張に伴う赤方偏移 z によって引き伸ばされるため、暗黒時代に相当する z = 30~1000 の中性水素線は周波数47~1.4 MHz の電波となる。 我々の観測システムの主たる目標は、この電波を空間分解能0.3 mrad(周波数 10 MHzにおいて)、感度8mKで観測して、宇宙初期の物質の分布を検出することを目指す。 この時代の物理状態の解明は、ビッグバン以前のインフレーションモデルを制約する可能性が指摘されている。他方で本観測システムは、太陽系科学への貢献も目指す。木星をはじめとする太陽系内各惑星からの電波を詳細に観測することによって、惑星の電波放射機構を統一的に理解する。アンテナ素子数が増加する最終段階では、例えばAKRタイプの強い放射タイプの、太陽系外木星型惑星からの電波の検出も可能となる。一方で、干渉計データの解析に必要な校正データの蓄積は、各アンテナサイトにおける月の電離層・荷電粒子降着などの環境計測の長期モニタリングや、地下構造のデータ解明につながる。
2020年代の打ち上げを目指す本計画のプロトタイプ段階では、伸展式ショートダイポールアンテナのユニット1基を設置し、2030年代の本格観測開始時には10素子程度まで増やすことを目指す。これまでに、月面ランダ、小型ローバ、有人与圧ローバへの搭載を想定したアンテナユニットの設計、ならびに伸展式アンテナ(LOPTA: Lunar Observatory Proto-Type Antenna)およびプリアンプの開発、ならびにこれらを用いたシステム設計を行っている。とりわけ本システムは広波長帯域に対応する必要性からアンテナ利得における制約が生じることから、プリアンプの目標感度を2 nV√Hzに設定した低雑音化を目指している。これらの科学観測計画と機器開発の結果について報告する。
TSUKUYOMIの主たる観測対象は、宇空論最後の未開拓分野である宇宙進化初期の「暗黒時代」である。波長21cm、周波数1420MHzの中性水素線は、物質分布の情報を提示する。 宇宙初期の放射の波長は、宇宙膨張に伴う赤方偏移 z によって引き伸ばされるため、暗黒時代に相当する z = 30~1000 の中性水素線は周波数47~1.4 MHz の電波となる。 我々の観測システムの主たる目標は、この電波を空間分解能0.3 mrad(周波数 10 MHzにおいて)、感度8mKで観測して、宇宙初期の物質の分布を検出することを目指す。 この時代の物理状態の解明は、ビッグバン以前のインフレーションモデルを制約する可能性が指摘されている。他方で本観測システムは、太陽系科学への貢献も目指す。木星をはじめとする太陽系内各惑星からの電波を詳細に観測することによって、惑星の電波放射機構を統一的に理解する。アンテナ素子数が増加する最終段階では、例えばAKRタイプの強い放射タイプの、太陽系外木星型惑星からの電波の検出も可能となる。一方で、干渉計データの解析に必要な校正データの蓄積は、各アンテナサイトにおける月の電離層・荷電粒子降着などの環境計測の長期モニタリングや、地下構造のデータ解明につながる。
2020年代の打ち上げを目指す本計画のプロトタイプ段階では、伸展式ショートダイポールアンテナのユニット1基を設置し、2030年代の本格観測開始時には10素子程度まで増やすことを目指す。これまでに、月面ランダ、小型ローバ、有人与圧ローバへの搭載を想定したアンテナユニットの設計、ならびに伸展式アンテナ(LOPTA: Lunar Observatory Proto-Type Antenna)およびプリアンプの開発、ならびにこれらを用いたシステム設計を行っている。とりわけ本システムは広波長帯域に対応する必要性からアンテナ利得における制約が生じることから、プリアンプの目標感度を2 nV√Hzに設定した低雑音化を目指している。これらの科学観測計画と機器開発の結果について報告する。