日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG45] Science of slow-to-fast earthquakes

2025年5月27日(火) 10:45 〜 12:15 国際会議室 (IC) (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:加藤 愛太郎(東京大学地震研究所)、山口 飛鳥(東京大学大気海洋研究所)、中田 令子(東京大学大学院理学系研究科)、大久保 蔵馬(防災科学技術研究所)、座長:伊藤 喜宏(京都大学防災研究所)、小澤 創(東京大学地震研究所)

11:15 〜 11:30

[SCG45-21] チリ三重会合点付近の3次元温度構造・脱水とスラブウィンドウ・低周波微動火山との関連性

岩本 佳耶 1末永 伸明2、*吉岡 祥一2,1、Francisco Ortega-Culaciati3、Matthew Miller4、Javier Ruiz3 (1.神戸大学大学院理学研究科、2.神戸大学都市安全研究センター、3.チリ大学物理学数理科学部、4.コンセプシオン大学物理数理科学部)

キーワード:チリ三重会合点、3次元温度構造、脱水、海嶺の沈み込み、スラブウィンドウ、低周波微動

チリ南部の沈み込み帯は、チリ海嶺、ナスカプレート(NZ)、南極プレート(AN)が南米プレート(SA)の下に沈み込む複雑なテクトニックな環境下にある。NZ、AN、SAプレートの会合点は、チリ三重会合点(CTJ)と呼ばれている。この地域では、プレート運動速度の相違により、NZスラブとANスラブの間にスラブウィンドウと呼ばれる間隙が形成されており、火山は主に沈み込んだNZプレートとANプレートの上に存在している。本研究では、CTJ付近でのNZプレートとANプレートの同時沈み込みに関連した3次元温度構造モデルを構築した。その結果、スラブ上面の現在の温度分布はチリ海嶺に近づくほど高くなっており、CTJの北方移動とANプレートの収束速度の遅さにより、ANプレートは同じ深さでNZプレートに比べて高い温度分布を示した。さらに、スラブ上面近くの温度分布から含水量と脱水勾配を計算し、火山の分布との関係について比較してみたところ、モデル領域の北部では、火山列の下で高い脱水勾配が得られた。したがって、スラブとスラブ直上のマントルウェッジから放出された水がスラブ直上のマントルウェッジの融点を下げて溶融物を生成し、それが上部の火山の形成に寄与した可能性があることを示唆している。