17:15 〜 19:15
[SCG45-P07] 室内せん断すべり実験のAE計測に関する研究

キーワード:誘発地震、流体圧入、アコースティックエミッション、室内実験
資源工学分野の誘発地震の発生には様々な要因があるが、流体の圧入によって断層すべりが発生しやすくなることが主な原因と考えられている。断層すべりは断層面に加わるせん断応力が静止摩擦力を超えたときに起きうる状態になる。この摩擦力は垂直応力と摩擦係数によって決まる。流体の圧入によって有効法線応力が低下すると静止摩擦力が低下し、断層がすべりやすくなる。実際、非在来型資源開発・地熱開発時の流体の圧入や、CCSにおけるCO2の圧入によって、その地域の地震発生率が上昇した例がある(Zoback and Gorelick, 2012, Schultz et al., 2020)。誘発地震の中には有感地震もあり経済活動へのリスクをもたらすため、流体の圧入に伴う断層すべりを詳しく理解する必要がある。Ito et al.(2024)では、岩石試験片に二軸の圧縮応力を加えた上で断層面に注水孔を通して流体を圧入し、そのときの断層面のせん断ひずみを計測することで、注水に伴う断層すべり拡大の仕組みを解明することを目指した。しかし、せん断ひずみの計測および解析のみでは、せん断すべりによって発生する弾性波からの視点がなく、せん断すべり現象の全体像が捉えられたとは言い難い。 そこで、本研究は、この実験装置にAcoustic Emission(AE)の連続計測システムを導入してせん断ひずみとAEを同時に計測、解析し、せん断ひずみの時空間的変化とAEの時空間的発展を併せて観察することによって、現象の全体像を捉えることを目的とする。
本研究で導入するAE計測システムは、2MHzという高いサンプリング周波数で、1時間以上にわたる連続計測が可能である。AEセンサー(NF回路設計ブロック製、AE-900-B)によって捉えられたAE波はアンプ(MISTRAS製、2/4/6C)によって増幅され、A/D変換ボード(National Instruments製、PXIe-6396)を通してデジタルデータに変換される。変換後のデジタルデータは、高速通信が可能なThunderbolt3ケーブルを通して記録用SSD(SanDisk製、Extreme Pro Portable SSD)に転送される。
連続計測システムの導入にあたっては、まず、計測負荷試験を行い、システムが要求計測条件下で安定して動作することを確認した。次に、Ito et al.(2024)の実験で用いた岩石試験片にAE計測システムを導入し、AE波形データ取得から解析までの一連の流れを確認するために、模擬地震計測実験(ドロップボールテスト)を行った。この実験では、岩石試験片の一定の場所に複数回鉄球を落とし、そのときのAE波形からSTA/LTA法でのAEイベント検出、手動でP波到達時刻検出、Single Event Determination(SED)法で震源決定を行った。その結果、すべてのイベントについて震源決定ができ、その空間誤差の平均は2-5mm 程度となった 。
本研究で用いる岩石試験片は、Ito et al.(2024)で用いられた600×600×600mm3の最上安山岩である。この試験片は、断層面を模擬して斜め45°に切断されており、断層面に垂直な注水孔が、断層面中心にから開けられている。また、断層面には深さ15mm、幅5mmの溝が3本、140mm間隔で平行に彫られており、 その溝にひずみゲージ(共和電業製、KFGS-2-120-D31-11)を合計39個貼り付け、エポキシ樹脂で固定してある。さらに、試験片の表面に12個のAEセンサーを取り付ける。この岩石試験片にフラットジャッキを用いて二軸の圧縮応力を載荷し、そのときのせん断ひずみを10Hz、AEを2MHzのサンプリング周波数で計測する。これを注水なしの場合と注水ありの場合で行い、得られたせん断ひずみデータとAE波形の解析を行う。AE波形の解析では、AEイベント検出およびP波到達時刻検出にSTA/LTA法を、震源決定にSED法を使用する。また、Double Difference(DD)法を用いた震源再決定(Waldhauser and Ellsworth, 2000)や機械学習(Naoi et al., 2022)といった、より高度な地震波解析手法を導入した解析も行う予定である。
本研究で導入するAE計測システムは、2MHzという高いサンプリング周波数で、1時間以上にわたる連続計測が可能である。AEセンサー(NF回路設計ブロック製、AE-900-B)によって捉えられたAE波はアンプ(MISTRAS製、2/4/6C)によって増幅され、A/D変換ボード(National Instruments製、PXIe-6396)を通してデジタルデータに変換される。変換後のデジタルデータは、高速通信が可能なThunderbolt3ケーブルを通して記録用SSD(SanDisk製、Extreme Pro Portable SSD)に転送される。
連続計測システムの導入にあたっては、まず、計測負荷試験を行い、システムが要求計測条件下で安定して動作することを確認した。次に、Ito et al.(2024)の実験で用いた岩石試験片にAE計測システムを導入し、AE波形データ取得から解析までの一連の流れを確認するために、模擬地震計測実験(ドロップボールテスト)を行った。この実験では、岩石試験片の一定の場所に複数回鉄球を落とし、そのときのAE波形からSTA/LTA法でのAEイベント検出、手動でP波到達時刻検出、Single Event Determination(SED)法で震源決定を行った。その結果、すべてのイベントについて震源決定ができ、その空間誤差の平均は2-5mm 程度となった 。
本研究で用いる岩石試験片は、Ito et al.(2024)で用いられた600×600×600mm3の最上安山岩である。この試験片は、断層面を模擬して斜め45°に切断されており、断層面に垂直な注水孔が、断層面中心にから開けられている。また、断層面には深さ15mm、幅5mmの溝が3本、140mm間隔で平行に彫られており、 その溝にひずみゲージ(共和電業製、KFGS-2-120-D31-11)を合計39個貼り付け、エポキシ樹脂で固定してある。さらに、試験片の表面に12個のAEセンサーを取り付ける。この岩石試験片にフラットジャッキを用いて二軸の圧縮応力を載荷し、そのときのせん断ひずみを10Hz、AEを2MHzのサンプリング周波数で計測する。これを注水なしの場合と注水ありの場合で行い、得られたせん断ひずみデータとAE波形の解析を行う。AE波形の解析では、AEイベント検出およびP波到達時刻検出にSTA/LTA法を、震源決定にSED法を使用する。また、Double Difference(DD)法を用いた震源再決定(Waldhauser and Ellsworth, 2000)や機械学習(Naoi et al., 2022)といった、より高度な地震波解析手法を導入した解析も行う予定である。