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[SCG45-P18] 紀伊半島下で発生する深部低周波微動と短期的スロースリップイベントの定量的関係の検討
キーワード:深部低周波微動、深部低周波地震、短期的スロースリップイベント、紀伊半島
南海トラフ沿いプレート境界大地震の震源域の深部延長で発生する深部低周波微動(地震)、超低周波地震、短期的・長期的スロースリップイベント(SSE)といった種々のスロー地震は、プレート境界のすべりに伴う現象と考えられ、これらの現象の時空間分布や規模の情報は次のプレート境界大地震発生に繋がるプレート境界摩擦状態変化や震源域への応力載荷を評価するための手掛かりとなると期待される。深部低周波微動(地震)と短期的SSEは、発生期間と発生場所が概ね対応することが知られ(例えば、Obara, 2002; Rogers & Dragert, 2003)、プレート境界での同一のすべり現象を異なる帯域で観測した結果と解釈される。深部低周波微動(地震)の規模または継続時間と短期的SSEの地震モーメントとの間には相関があることが報告されているため、測地学的に検知が難しい小規模のSSEが、地震観測によって解像可能となることが期待できる(Hiramatsu et al. 2008; Aguiar et al., 2009; Daiku et al., 2018; Frank & Brodsky, 2019)。本研究は、プレート境界すべり現象の高解像度モニタリングの実現を将来的な目標として、深部低周波微動(地震)と短期的SSEの対応関係を豊富な観測データに基づき定量的に調査する。
気象庁では南海トラフ沿いプレート境界の固着状態監視のため、プレート境界深部の短期的SSE発生の際にはひずみ計・傾斜計の観測データから断層モデルを推定し、カタログ化してきた。2011年から現在に至るまで250件を超える短期的SSEの断層モデルを推定し、領域ごとの活動特性を統計的に整理して監視に役立てている(藤田ほか,2023年地震学会)。そこで、これらのカタログ化された短期的SSEに同期して発生した深部低周波微動(地震)の発生期間、震源、放射エネルギーを推定し、短期的SSEの断層モデルとの時空間および規模的対応関係を統計的に調査した。深部低周波微動については、防災科学技術研究所のHi-netデータからエンベロープ相関法により推定した微動源に対し、地震波振幅の幾何減衰と内部減衰を補正して放射エネルギーを求めた。深部低周波地震については、気象庁が一元化震源カタログに掲載している震源とマグニチュードのデータを使用した。本発表では紀伊半島下で発生した短期的SSEと深部低周波微動(地震)の対応関係をばらつきや地域性について分析した結果を報告する。
謝辞:
短期的SSEの解析には気象庁・静岡県のひずみ計、産業技術総合研究所のひずみ・傾斜計データを使用した。深部低周波微動の解析には防災科学技術研究所のHinetデータを使用した。記して感謝いたします。
気象庁では南海トラフ沿いプレート境界の固着状態監視のため、プレート境界深部の短期的SSE発生の際にはひずみ計・傾斜計の観測データから断層モデルを推定し、カタログ化してきた。2011年から現在に至るまで250件を超える短期的SSEの断層モデルを推定し、領域ごとの活動特性を統計的に整理して監視に役立てている(藤田ほか,2023年地震学会)。そこで、これらのカタログ化された短期的SSEに同期して発生した深部低周波微動(地震)の発生期間、震源、放射エネルギーを推定し、短期的SSEの断層モデルとの時空間および規模的対応関係を統計的に調査した。深部低周波微動については、防災科学技術研究所のHi-netデータからエンベロープ相関法により推定した微動源に対し、地震波振幅の幾何減衰と内部減衰を補正して放射エネルギーを求めた。深部低周波地震については、気象庁が一元化震源カタログに掲載している震源とマグニチュードのデータを使用した。本発表では紀伊半島下で発生した短期的SSEと深部低周波微動(地震)の対応関係をばらつきや地域性について分析した結果を報告する。
謝辞:
短期的SSEの解析には気象庁・静岡県のひずみ計、産業技術総合研究所のひずみ・傾斜計データを使用した。深部低周波微動の解析には防災科学技術研究所のHinetデータを使用した。記して感謝いたします。