日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[E] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG48] 観測・実験・シミュレーションから見えてきた惑星内部

2025年5月30日(金) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:横尾 舜平(東京大学)、彦坂 晃太郎(東京科学大学)、佐藤 雅彦(東京理科大学)

17:15 〜 19:15

[SCG48-P04] 無限プラントル数を持つレイリー・ベナール対流におけるヌセルト数のスケーリング則解析

*岩畔 大詩1吉田 晶樹1 (1.立命館大学)


キーワード:無限プラントル数、べナール対流、ヌセルト数、スケーリング則

レイリー・ベナール対流とは, 水平な流体層の下部を加熱し, 上部を冷却する条件下で, 一定の臨界条件を満たすと熱対流が発生する現象である. 本研究では, この現象を無限プラントル数の熱対流を対象として調査し, ヌセルト数(Nu)のスケーリング則について詳細に考察を行った. 一般に, 地球内部のマントル対流などの無限プラントル数の熱対流においては, ヌセルト数のレイリー数(Ra)依存性として Nu ∝ Ra1/3のスケーリング則が広く適用されている. しかし, 有限プラントル数を持つ乱流状態での熱対流では, プラントル数(Pr)やレイリー数に応じてスケーリング則が異なり, 特に異なるスケーリング則の適用範囲やその境界領域の振る舞いには未解明の部分が多い. また, 層流状態の熱対流に関しては, 従来の定常境界層理論に基づいた解析的手法が存在するものの, 速度分布に起因する問題や理論の破綻が指摘されており, その厳密性には課題が残されている. 本研究では, 無限プラントル数の熱対流を対象とし, 臨界レイリー数付近からRa = O(106)に至るレイリー数領域において数値シミュレーションを実施し, ヌセルト数のレイリー数依存性を詳細に調査した. さらに, 得られたシミュレーション結果に基づき, 速度分布の一般化を試みることで, 従来の定常境界層理論の再考を行った. その結果, 無限プラントル数の層流状態においても, 単純に Nu ∝ Ra1/3とはならない領域が存在することが明らかとなった. また、定常境界層理論を再構築することで, 従来の矛盾を解消し, より整合的なヌセルト数の定式化を行った. 本研究の成果は, 無限プラントル数の熱対流における熱輸送メカニズムの理解を深めるものであり, 理論的な枠組みの発展に寄与するものである.