15:45 〜 16:00
[SCG50-08] GNSS-Aにより明らかになった琉球海溝南端部のプレート間カップリングの欠如
★招待講演
キーワード:GNSS/音響測距結合方式、海底地殻変動、琉球海溝、プレート間固着
我々は琉球海溝南西端、琉球海溝に面した波照間海盆に海底局OHTMを設置してGNSS-A測地観測を行ってきた。また2023年に新たに宮古島沖の前弧深海平坦面にも海底局OMYKを設置し観測を開始した.これらの観測の結果,どちらのサイトも琉球弧との間で短縮が見られず,プレート境界の固着を示さないことを報告する.
琉球海溝南西端に位置する八重山諸島は、1771年4月24日に発生した「八重山津波」によって壊滅的な被害を受けたことが知られている。Nakamura (2009)は、八重山津波の発生源として琉球海溝南西端のプレート境界浅部で発生したMw8.0の津波地震である可能性を示唆している。またAndo et al. (2018)はトレンチ調査から,石垣島東海岸を過去2000年で4回の津波が襲ったことを報告した.
我々は、これらの津波を発生した可能性のある琉球海溝南西端のプレート境界における固着の有無を明らかにするために、2014年に波照間島南沖約40km、前弧海盆である波照間海盆内に海底局OHTMを設置した.OHTMは水深約3300mの海底に、3台のトランスポンダを水深のおおむね1/√2程度の外接円直径をもつ正三角形に配置することで構成されている。2022年までの観測を経て,OHTMはYangtzaプレートに対して49.7±7.3mm/yrで南向きに前進しており,これは琉球弧(50mm/yr)とほぼ同じ速度である.波照間海盆下には固着が無いことが示唆される.
続いて我々は2023年に,OHTMから琉球海溝に沿って150 km東方の宮古島沖に,海底局OMYKを設置した. OHTMが設置された水深3,300mの波照間海盆が負のフリーエア重力異常をもち地形的にも長期的な沈降が示唆されるのとは対照的に,OMYKは正の重力異常をもつ宮古深海平坦面の水深880mの海底に設置された.海底局設置時と1年後の2回,測位を行ったところ,OMYKはYangtzaプレートに対して南南東向きに78±24 mm/yrの移動を示した.これは予備的な結果ではあるが,宮古深海平坦面の下にもプレート間固着が無いことを示唆している.移動速度の高い推定精度を確保するために,今後更に長期にわたる繰り返し観測が必要である.
本発表では,OHTMの観測に導入したえい航ブイシステムと,導入による観測精度向上への寄与についても紹介する.
引用文献
Nakamura (2009). GRL, 36, L19307. DOI 10.1029/2009GL039730
琉球海溝南西端に位置する八重山諸島は、1771年4月24日に発生した「八重山津波」によって壊滅的な被害を受けたことが知られている。Nakamura (2009)は、八重山津波の発生源として琉球海溝南西端のプレート境界浅部で発生したMw8.0の津波地震である可能性を示唆している。またAndo et al. (2018)はトレンチ調査から,石垣島東海岸を過去2000年で4回の津波が襲ったことを報告した.
我々は、これらの津波を発生した可能性のある琉球海溝南西端のプレート境界における固着の有無を明らかにするために、2014年に波照間島南沖約40km、前弧海盆である波照間海盆内に海底局OHTMを設置した.OHTMは水深約3300mの海底に、3台のトランスポンダを水深のおおむね1/√2程度の外接円直径をもつ正三角形に配置することで構成されている。2022年までの観測を経て,OHTMはYangtzaプレートに対して49.7±7.3mm/yrで南向きに前進しており,これは琉球弧(50mm/yr)とほぼ同じ速度である.波照間海盆下には固着が無いことが示唆される.
続いて我々は2023年に,OHTMから琉球海溝に沿って150 km東方の宮古島沖に,海底局OMYKを設置した. OHTMが設置された水深3,300mの波照間海盆が負のフリーエア重力異常をもち地形的にも長期的な沈降が示唆されるのとは対照的に,OMYKは正の重力異常をもつ宮古深海平坦面の水深880mの海底に設置された.海底局設置時と1年後の2回,測位を行ったところ,OMYKはYangtzaプレートに対して南南東向きに78±24 mm/yrの移動を示した.これは予備的な結果ではあるが,宮古深海平坦面の下にもプレート間固着が無いことを示唆している.移動速度の高い推定精度を確保するために,今後更に長期にわたる繰り返し観測が必要である.
本発表では,OHTMの観測に導入したえい航ブイシステムと,導入による観測精度向上への寄与についても紹介する.
引用文献
Nakamura (2009). GRL, 36, L19307. DOI 10.1029/2009GL039730