17:15 〜 19:15
[SCG50-P02] 南西諸島前弧域における付加体を含む地盤構造モデルの改良
キーワード:南西諸島、三次元地盤構造モデル、付加体
海溝付近の付加体を含む厚い堆積物によって地震動が増幅され,地震動の継続時間が長くなることが知られている(例えば,Kaneko et al., 2019).したがって,海溝付近の付加体を含む堆積層のモデル化は,将来海溝付近で発生する地震による地震動を予測するために重要である.日本列島全体の地震動予測のための地下構造モデルとして,全国1次地下構造モデル(暫定版)(Koketsu et al., 2008)があり,その第7層が付加体を含む堆積層とされている.しかし全国1次地下構造モデルは九州南部までしか存在せず,南西諸島のモデルは存在しない.南西諸島の地盤構造モデルとしてはJ-SHIS深部地盤モデルが存在する.このモデルではフィリピン海プレートが沈み込む琉球海溝付近では九州地方南部から急に堆積層が薄くなる.しかし最近の反射法探査により,琉球海溝周辺においても付加体を含む厚い堆積層が存在することが明らかになっている.そこで本研究では,最新の反射法地震探査結果を取り入れて付加体を含む堆積層のモデルを作成する.モデル作成にあたっては,Okamura et al. (2017)による島弧から海溝に向かう海底地形の特徴による前弧域の4つの地域分割(ZONE1~4)を考慮した.
本研究では,まず反射法地震探査測線(例えば,Nishizawa et al., 2017; Klingelhoefer et al., 2012; Kodaira et al., 1995)のP波速度構造モデルから,P波速度が4~5km/sの等値線と,反射断面にみられる不整合を地震基盤相当の面としてデジタイズした.全国1次地下構造モデルを参考に,アウターライズ側では海底から1 kmの深さに堆積層が続いていると仮定し,測線の断面図において,デジタイズした地震基盤相当の面の線と海底から1 kmの深さの線をマージし,線形補間により1 km間隔に揃え,空間的なスムージングを施した.これらにより作成した各測線の地盤の厚さを海溝に直行するラインに投影し,空間的な補間を行った.構築したモデルには以下の特徴が見られる(Figure 1).ZONE1では付加体を含む堆積層は島弧側では海溝から約50 km付近で厚さが増している.ZONE2では宮古・沖縄深海平坦面に沿って薄い堆積層が続いており,他のZONEに比べて付加体を含む堆積層は薄い.ZONE3とZONE4では海溝に近づくにつれて堆積層の厚さが増加していくが,ZONE4の方が厚い.
作成した前弧からアウターライズに向けた堆積層の厚さについて,島弧・背弧域のJ-SHISモデルとマージし,南西諸島における付加体を考慮した地盤構造モデルを構築した.その際,前弧からアウターライズにかけての地盤各層の層境界の深さは,J-SHISモデルの層厚を基に設定した.本発表では,さらに構築した地盤構造モデルを用いた地震波動シミュレーションの結果も示し,構造モデルの検討を行う.
謝辞:本研究では,防災科学技術研究所,気象庁の波形記録,国土地理院の数値地図250mメッシュ(標高),JTOPO30,J-SHIS深部地盤モデルを使用しました.地震波形の計算は学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点の支援により(課題番号: jh240056),名古屋大学情報基盤センターの超並列スパコンFX1000を利用し,および東京大学地震研究所の共同利用における援助を受け(課題番号:2024-S-B102),同大情報基盤センターのシステム(Wisteria)を利用しました.この研究の一部は,JSPS科研費基盤(B) 23K22582の補助を受けています.
本研究では,まず反射法地震探査測線(例えば,Nishizawa et al., 2017; Klingelhoefer et al., 2012; Kodaira et al., 1995)のP波速度構造モデルから,P波速度が4~5km/sの等値線と,反射断面にみられる不整合を地震基盤相当の面としてデジタイズした.全国1次地下構造モデルを参考に,アウターライズ側では海底から1 kmの深さに堆積層が続いていると仮定し,測線の断面図において,デジタイズした地震基盤相当の面の線と海底から1 kmの深さの線をマージし,線形補間により1 km間隔に揃え,空間的なスムージングを施した.これらにより作成した各測線の地盤の厚さを海溝に直行するラインに投影し,空間的な補間を行った.構築したモデルには以下の特徴が見られる(Figure 1).ZONE1では付加体を含む堆積層は島弧側では海溝から約50 km付近で厚さが増している.ZONE2では宮古・沖縄深海平坦面に沿って薄い堆積層が続いており,他のZONEに比べて付加体を含む堆積層は薄い.ZONE3とZONE4では海溝に近づくにつれて堆積層の厚さが増加していくが,ZONE4の方が厚い.
作成した前弧からアウターライズに向けた堆積層の厚さについて,島弧・背弧域のJ-SHISモデルとマージし,南西諸島における付加体を考慮した地盤構造モデルを構築した.その際,前弧からアウターライズにかけての地盤各層の層境界の深さは,J-SHISモデルの層厚を基に設定した.本発表では,さらに構築した地盤構造モデルを用いた地震波動シミュレーションの結果も示し,構造モデルの検討を行う.
謝辞:本研究では,防災科学技術研究所,気象庁の波形記録,国土地理院の数値地図250mメッシュ(標高),JTOPO30,J-SHIS深部地盤モデルを使用しました.地震波形の計算は学際大規模情報基盤共同利用・共同研究拠点の支援により(課題番号: jh240056),名古屋大学情報基盤センターの超並列スパコンFX1000を利用し,および東京大学地震研究所の共同利用における援助を受け(課題番号:2024-S-B102),同大情報基盤センターのシステム(Wisteria)を利用しました.この研究の一部は,JSPS科研費基盤(B) 23K22582の補助を受けています.