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[SCG52-01] Inter-segment Tectonics in Subduction Zones: Linking Earthquakes, Volcanoes, and Geomorphology
キーワード:沈み込みシステム、断層セグメント、セグメント相互作用、分野横断的研究
2011年3月11日,日本周辺では観測史上最大となるマグニチュード(M)9の東北地方太平洋沖地震(以下,東北沖地震)が発生した.日本海溝沿いはM7.5級地震の断層セグメント(断層域)に分割され,各セグメントにおいて同じような地震が繰り返し起きるという先入観に囚われており,複数のセグメントにおける断層滑りが連動することによるM9地震の発生については,十分な注意は向けられていなかった.このような地震断層セグメントは,例えば南海トラフにおける東南海・南海地震震源断層や,ニュージーランド(NZ)北島沖のヒクランギ沈み込み帯に沿った3つの地震断層セグメントなど,多くの沈み込み帯で見られるとともに,複数のセグメントが連動した巨大地震の発生も認められる.またこれらの沈み込み帯では,断層セグメントと調和的なプレート間固着強度分布,スロー地震(スロースリップイベント,テクトニック微動等)の発生領域や,内陸の火山分布が良い相関を持っている事例も多く見られる.このようなセグメントという空間スケールをもって俯瞰したときに,セグメント境界の周辺には例えば海山の沈み込みなど,沈み込み帯間で酷似した特徴が認められる.このことは,100〜1000年の周期を持つ巨大地震の発生と,10〜100万年の時間スケールを持つ火山の形成,さらに1000万年〜1億年スケールの地形形成といった,プレートの沈み込みに対する広い時間スケールに渡るレスポンスが,沈み込みシステムの一部として統一的に理解される可能性を示唆している.そしてこの統一的な理解には,地震・火山・地形・地質等各分野の沈み込み帯学を統合することが不可欠である.プレートテクトニクス学の成長期(1980年代前後)にはそのような視点にたった研究が活発であったが,各分野・地域の研究が精緻化するにつれ,俯瞰的な検討が十分に行われなくなってきた.海域地震・地殻変動観測網の整備や,スーパーコンピューターによる3次元波動伝播シミュレーションなど,近年の観測・解析技術の進歩から,断層すべりや地下構造不均質を3次元的に高解像度で把握できるようになりつつある.地震学,火山学,測地学などの多様な研究分野の最新の研究結果を持ち寄り,沈み込み帯における地震断層セグメントと,火山配列および海域から陸域までの地形の相関関係に焦点を当て,沈み込みレスポンスの相関単位であるセグメントの形成要因,およびセグメント間相互作用の解明に向けた,俯瞰的・分野横断的な取り組みを促進することを目的として,本セッションを企画した.