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[SCG53-10] 南太平洋クック諸島アイツタキ島マントルかんらん岩捕獲岩の地球化学的特徴と単斜輝石の微量元素組成・Sr-Nd同位体比
キーワード:アイツタキかんらん岩捕獲岩、MORB起源マントル、小規模マントル対流、マントル交代作用、Sr-Nd同位体比、地球化学的特徴
南西太平洋クック諸島のアイツタキ島は地表の約85 %をラグーンが、残り約15 %を主にかんらん石ネフェリナイトとベイサナイトの溶岩が占めている(Turner & Jarrad, 1982)。このカンラン石ネフェリナイト中から、スピネルレルゾライトを主とするマントルかんらん岩捕獲岩(<5㎝)が報告されている(例えばWood, 1978)。Akizawa et al. (2024)は、それらの捕獲岩中に、スピネルを取り囲んだザクロ石が分解して生じた細粒鉱物集合体(FMA)を含むレルゾライトが存在することを発見し、FMAを含むレルゾライトがスピネルからザクロ石安定領域への圧力上昇(下降流)とその後の温度低下(上昇流)を経験し、この変化は小規模マントル対流による圧力・温度変化である可能性を示した。一方、スピネルハルツバージャイトは単純な温度低下を示し(大嶋ほか, 2020)、リソスフェリックマントル由来と考えられる。
本研究では、FMAを含むレルゾライト、スピネルレルゾライト、ハルツバージャイトの主要元素組成と単斜輝石の微量元素・Sr-Nd同位体組成について報告する。FMAの有無にかかわらず、レルゾライトはMgO-Al2O3図で始源マントルから中央海嶺玄武岩(MORB)起源マントルの領域に分布する。ハルツバージャイトは、レルゾライトより高いMgO量と低いAl2O3量という溶け残りかんらん岩の特徴を示す。単斜輝石のSr-Nd同位体比は、東太平洋海膨から太平洋南極海嶺のMORBと母岩のカンラン石ネフェリナイトの間に直線状に分布し、ハルツバージャイトは母岩と類似した同位体比を示した。以上の結果から、アイツタキ島下のリソスフェリックマントルは、溶け残りかんらん岩で母岩もしくは母岩と類似したマグマによる交代作用を受けている事、海洋下で小規模対流を引き起こすアセノスフェリックマントルはMORB起源マントルの化学・Sr-Nd同位体組成を示す事、が推測される。
本研究では、FMAを含むレルゾライト、スピネルレルゾライト、ハルツバージャイトの主要元素組成と単斜輝石の微量元素・Sr-Nd同位体組成について報告する。FMAの有無にかかわらず、レルゾライトはMgO-Al2O3図で始源マントルから中央海嶺玄武岩(MORB)起源マントルの領域に分布する。ハルツバージャイトは、レルゾライトより高いMgO量と低いAl2O3量という溶け残りかんらん岩の特徴を示す。単斜輝石のSr-Nd同位体比は、東太平洋海膨から太平洋南極海嶺のMORBと母岩のカンラン石ネフェリナイトの間に直線状に分布し、ハルツバージャイトは母岩と類似した同位体比を示した。以上の結果から、アイツタキ島下のリソスフェリックマントルは、溶け残りかんらん岩で母岩もしくは母岩と類似したマグマによる交代作用を受けている事、海洋下で小規模対流を引き起こすアセノスフェリックマントルはMORB起源マントルの化学・Sr-Nd同位体組成を示す事、が推測される。