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[SCG53-P06] 山口県中南部徳山湾周辺に分布する火山深成複合岩体のマグマ過程

キーワード:後期中生代、火山深成複合岩体、太華山、徳山湾
西南日本内帯には白亜紀の珪長質火山岩類が広く分布する.この火成活動は,活動的大陸縁における地殻形成の主要な過程とみなされてきた(今岡ほか,2019).また,西中国地域においては,およそ95-85Maにイグニンブライト・フレアーアップと呼ばれる大規模珪長質火砕流が噴出した(今岡ほか,2019).しかし,瀬戸内海に面した地域における火山深成複合岩体の検討例は少ない.徳山湾に面した大島半島の太華山地域には,白亜紀の噴出岩と少量の貫入岩を伴う.こうした岩相組み合わせは,火山深成複合岩体として捉えることが可能である.そこで,本研究では太華山地域の噴出岩類と貫入岩類の特徴を詳細に記載し,形成史について検討する.本研究結果は,この時代の火成活動様式について,広範囲での比較検討を可能にする.
山口県中南部に位置する徳山湾を囲む地域は,変成岩類を基盤とし,噴出岩類と貫入岩類を伴う.噴出岩類の分布は太華山地域に限られるが,太華山地域の南西部,粭島,大津島そして湾内の黒髪島・仙島では花崗岩が主に変成岩類を貫く(村上・今岡,1986).太華山地域には基盤岩である泥質片岩と珪質片岩,それを覆う安山岩質噴出岩およびデイサイト質噴出岩,それらをシル状に貫く花崗岩が分布し,噴出岩中に堆積岩(泥質ホルンフェルス)の薄層を挟む.噴出岩の層序は下位が安山岩質,上位がデイサイト質で,それぞれ溶岩と火砕岩を含む.火砕岩はさらに火山礫凝灰岩と凝灰岩に区分できる.基盤岩と噴出岩類の境界は基本的にアバット不整合で,一部でオーバーラップ不整合へ移り変わる.また,結晶片岩の角礫から構成される不淘汰な礫岩露頭が基盤岩と噴出岩の間で確認された.これらの不淘汰角礫岩の基質部は結晶片岩の破砕物から構成され,少量の火砕岩角礫を伴う.
以上の岩相区分と地質構造から形成史を検討した.まず結晶片岩中に発達した断層によって盆状構造を形成する.この断層で破砕・角礫化した結晶片岩が凹地に堆積する.その後安山岩質マグマが噴出し,結晶片岩を覆う.さらにデイサイト質に変化したマグマが累重し,その後花崗岩が貫入する.断層運動によって徳山湾西部が差別的に上昇し,上部が削剥され現在に至る.
山口県中南部に位置する徳山湾を囲む地域は,変成岩類を基盤とし,噴出岩類と貫入岩類を伴う.噴出岩類の分布は太華山地域に限られるが,太華山地域の南西部,粭島,大津島そして湾内の黒髪島・仙島では花崗岩が主に変成岩類を貫く(村上・今岡,1986).太華山地域には基盤岩である泥質片岩と珪質片岩,それを覆う安山岩質噴出岩およびデイサイト質噴出岩,それらをシル状に貫く花崗岩が分布し,噴出岩中に堆積岩(泥質ホルンフェルス)の薄層を挟む.噴出岩の層序は下位が安山岩質,上位がデイサイト質で,それぞれ溶岩と火砕岩を含む.火砕岩はさらに火山礫凝灰岩と凝灰岩に区分できる.基盤岩と噴出岩類の境界は基本的にアバット不整合で,一部でオーバーラップ不整合へ移り変わる.また,結晶片岩の角礫から構成される不淘汰な礫岩露頭が基盤岩と噴出岩の間で確認された.これらの不淘汰角礫岩の基質部は結晶片岩の破砕物から構成され,少量の火砕岩角礫を伴う.
以上の岩相区分と地質構造から形成史を検討した.まず結晶片岩中に発達した断層によって盆状構造を形成する.この断層で破砕・角礫化した結晶片岩が凹地に堆積する.その後安山岩質マグマが噴出し,結晶片岩を覆う.さらにデイサイト質に変化したマグマが累重し,その後花崗岩が貫入する.断層運動によって徳山湾西部が差別的に上昇し,上部が削剥され現在に至る.