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[SCG54-P06] 断層すべりに伴う摩擦発熱によるオリビンと花崗岩ガウジ試料の水-岩石反応の再現

キーワード:摩擦発熱、熱水条件、高速摩擦、地震
アウターライズ断層やトランスフォーム断層ではマントルを震源とする地震が発生している。これらの断層には水が入り込んでいる可能性が地震波観測などから指摘されている。そのため、断層すべりに伴う地震時の摩擦発熱により水-岩石反応が加速され、断層帯において選択的にマントルかんらん岩の蛇紋岩化が起きうる。さらに、このような水-岩石反応でできた含水鉱物を含むプレートが沈み込むことで起きる地球深部での含水鉱物の脱水反応が、スラブ内地震や島弧の火山活動を引き起こしている可能性がある。また、内陸の活断層においても、主要すべり帯にはたくさんの粘土鉱物が含まれていることから、地震時の断層摩擦発熱による花崗岩の含水化によって粘土鉱物が生成された可能性がある。このように、地震時の断層すべりは、断層帯での水-岩石反応を加速している可能性があるが、どのように反応を加速させるかは明らかにされていない。そこで本研究では、高知コア研究所にある回転式熱水低~高速剪断試験装置 (HDR) を用いて、サンカルロスオリビンと稲田花崗岩のガウジ試料を使って高温高圧含水条件下で高速摩擦実験を行い、高速断層すべりが断層帯での水-岩石反応にどのような影響を与えるか調べた。
高速摩擦実験は、すべり速度1.12 m/s、水圧50 MPa、有効垂直応力2.5または5 MPa、温度は室温から400℃で合計13回実施した。200℃までの低温で行った実験については、実験開始後すぐに摩擦係数は大きくなり、すべり量が増加するにつれ摩擦係数は減少した。300℃、400℃の高温で行った実験では、すべり量が増加するにつれ摩擦係数が増加していき、摩擦係数が1を超えたものもあった。これは試料周辺の砲金や真鍮のジャケットの熱膨張率が試料ホルダーのインコネルよりも高く、ホルダーとジャケット間の摩擦の増加やガウジのリークが原因である可能性がある。今後の高温での実験では、熱膨張率の低いカーボンのジャケットを用いた実験の実施を検討している。また、実験後試料の微細組織の観察を行った。実験後試料の粒径は、実験前の試料の粒径 (100 ∼ 500μm) よりもかなり細粒化しており、1 μm 以下の粒が生成されていた。さらに、実験後試料の組成をXRDやSEM-EDS、ラマン分光法により分析を行った。分析の結果、オリビン試料での実験でも花崗岩試料での実験でも蛇紋石や粘土鉱物のピークは見られなかった。しかし、ラマン分光法で、実験後に細粒になった試料からピークが出なかったため、アモルファス化している可能性がある。地震時の動的な水-岩石反応を調べるために、今後の実験ではさらなる高垂直応力下や高すべり量の高速摩擦実験を行う必要がある。
高速摩擦実験は、すべり速度1.12 m/s、水圧50 MPa、有効垂直応力2.5または5 MPa、温度は室温から400℃で合計13回実施した。200℃までの低温で行った実験については、実験開始後すぐに摩擦係数は大きくなり、すべり量が増加するにつれ摩擦係数は減少した。300℃、400℃の高温で行った実験では、すべり量が増加するにつれ摩擦係数が増加していき、摩擦係数が1を超えたものもあった。これは試料周辺の砲金や真鍮のジャケットの熱膨張率が試料ホルダーのインコネルよりも高く、ホルダーとジャケット間の摩擦の増加やガウジのリークが原因である可能性がある。今後の高温での実験では、熱膨張率の低いカーボンのジャケットを用いた実験の実施を検討している。また、実験後試料の微細組織の観察を行った。実験後試料の粒径は、実験前の試料の粒径 (100 ∼ 500μm) よりもかなり細粒化しており、1 μm 以下の粒が生成されていた。さらに、実験後試料の組成をXRDやSEM-EDS、ラマン分光法により分析を行った。分析の結果、オリビン試料での実験でも花崗岩試料での実験でも蛇紋石や粘土鉱物のピークは見られなかった。しかし、ラマン分光法で、実験後に細粒になった試料からピークが出なかったため、アモルファス化している可能性がある。地震時の動的な水-岩石反応を調べるために、今後の実験ではさらなる高垂直応力下や高すべり量の高速摩擦実験を行う必要がある。