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[SCG54-P19] 北極圏ウラル,ヴォイカー岩体のヒスイ輝石岩の岩石学
キーワード:ヒスイ輝石、北極圏ウラル、マントルウェッジ、スラブ流体
ヒスイ輝石岩は主にヒスイ輝石 (NaAlSi2O6) から構成され,青色片岩やエクロジャイトなどの岩石に伴い,蛇紋岩メランジュ中に産することが知られている (Harlow et al., 2015)。ヒスイ輝石岩はその成因から2つのタイプに分類され,それぞれは,沈み込むスラブから放出された流体から直接結晶化したもの(P-type; precipitation type),沈み込むスラブによる交代作用により形成されたもの(R-type; replacement type)である(Tsujimori & Harlow, 2012; Harlow et al., 2015)。ヒスイ輝石岩は,スラブからマントルウェッジへと放出される流体の性質,およびその流体による元素の移動過程を知る上で非常に重要な試料といえる。
北極圏ウラル地域に存在するオフィオライト帯には3つの超苦鉄質岩体が報告されており,そのいずれにもヒスイ輝石岩の存在が報告されている(Meng et al., 2011)。東に位置するShum-Keu 岩体に存在するヒスイ輝石岩はMeng et al. (2011) やAngiboust et al (2020) によって記載がされている。本研究では,西側に位置するVoikar-Syninsky岩体に産するヒスイ輝石岩について構成鉱物組合せと化学組成分析を実施し,その形成過程について検討をおこなった。
研究に用いた試料は,ヒスイ輝石岩9試料と壁岩のかんらん岩(蛇紋岩)8試料である。ヒスイ輝石岩は概ね白色を呈するが、一部濃緑色を示す。白色の試料は,主に単斜輝石(ヒスイ輝石,オンファス輝石)から構成され,少量の角閃石(Ca-Na角閃石,Ca角閃石),黒雲母,ナトロライト,ペクトライト,チタナイトを含んでいる。ヒスイ輝石は自形から半自形であり,しばしば放射状の集合体を形成している。また,稀にクロムスピネル,曹長石,ジルコン,キュムリ石,Sr-アパタイト,Sr-炭酸塩鉱物,新潟石を含む。ヒスイ輝石の微量元素組成はP-typeのヒスイ輝石岩と考えられている糸魚川-青海地域のヒスイ輝石とよく似ており(Miura et al., 2019),鉱物組合せ,化学組成から,マントウルウェッジ内でスラブ由来流体から直接沈積してケイされたものと推定される。
北極圏ウラル地域に存在するオフィオライト帯には3つの超苦鉄質岩体が報告されており,そのいずれにもヒスイ輝石岩の存在が報告されている(Meng et al., 2011)。東に位置するShum-Keu 岩体に存在するヒスイ輝石岩はMeng et al. (2011) やAngiboust et al (2020) によって記載がされている。本研究では,西側に位置するVoikar-Syninsky岩体に産するヒスイ輝石岩について構成鉱物組合せと化学組成分析を実施し,その形成過程について検討をおこなった。
研究に用いた試料は,ヒスイ輝石岩9試料と壁岩のかんらん岩(蛇紋岩)8試料である。ヒスイ輝石岩は概ね白色を呈するが、一部濃緑色を示す。白色の試料は,主に単斜輝石(ヒスイ輝石,オンファス輝石)から構成され,少量の角閃石(Ca-Na角閃石,Ca角閃石),黒雲母,ナトロライト,ペクトライト,チタナイトを含んでいる。ヒスイ輝石は自形から半自形であり,しばしば放射状の集合体を形成している。また,稀にクロムスピネル,曹長石,ジルコン,キュムリ石,Sr-アパタイト,Sr-炭酸塩鉱物,新潟石を含む。ヒスイ輝石の微量元素組成はP-typeのヒスイ輝石岩と考えられている糸魚川-青海地域のヒスイ輝石とよく似ており(Miura et al., 2019),鉱物組合せ,化学組成から,マントウルウェッジ内でスラブ由来流体から直接沈積してケイされたものと推定される。