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[SCG55-18] 伊豆小笠原弧・孀婦海山の地磁気異常
キーワード:伊豆小笠原弧、孀婦海山、海底火山、地磁気異常
2023年10月初旬(9日まで)に伊豆小笠原弧の鳥島−孀婦岩付近で発生した地震津波を受けて、海底火山噴火を起こしたと推定された孀婦海山周辺海域において、2023年11月に海底広域研究船「かいめい」による調査航海が行われた。調査航海では、海底地震計設置(Obana et al., JpGU 2024)、海底地形調査(Fujiwara et al., GRL 2024)の他、曳航式セシウム磁力計、船上3成分磁力計による地磁気調査が行われた。地磁気調査は、孀婦海山の地質学的背景の把握、海底噴火による磁化構造の変化の検証が目的である。全磁力調査では、孀婦海山を中心として鳥島〜孀婦岩背弧リフトにわたる範囲に、主測線として1.5または3マイル間隔10〜25マイル長の南北測線8本と、1マイル間隔17〜18マイル長の東西測線6本が得られた。地磁気異常は国際標準地球磁場IGRF-13を差し引くことによって求めた。気象庁地磁気観測所父島観測点の地磁気データを用いた時間変化補正により、交点誤差のRMSは27.4 nTから13.8 nTに低減した。孀婦海山は東西約25 km長、南北約17 km長、比高約2000 mの大きさで、カルデラ内の中央火口丘の水深は約900 mである。その山体に対応して、カルデラ上に約+750 nTの正異常の極大値、海山の北東側に約−450 nTの負異常の極小値が見られる。地磁気異常の全体的傾向として、孀婦海山中央部から東部は、海山に対して北側に負、南側に正の異常が見られる。山体がほぼ現在の地球磁場の方向に磁化していることを示している。しかしながら、海山西部では正負のダイポール・パターンが見られない。予察的な磁化構造解析(磁化が深さ方向には一定を仮定)の結果では、孀婦海山から鳥島リフトにかけて、リフトの走向に平行な北北西−南南東方向に正帯磁域が延びる。海山西部は低磁化あるいは逆帯磁であり、その低磁化(逆帯磁)域は北北西−南南東に延びている。中央火口丘で強く正帯磁しているが、中央火口丘中心を通り北北西−南南東方向にやや磁化が低い傾向があるかもしれない。
