11:15 〜 11:30
[SCG55-20] マリーセレストトランスフォーム断層を用いて海洋地殻の鉛直磁化構造を探る試み

キーワード:海洋地殻、磁化構造、トランスフォーム断層
本研究は、トランスフォーム断層の崖沿いの磁場観測を通して、海洋地殻の鉛直方向の磁化構造について理解を深めようとする試みである。海域における磁場観測は、磁力計を海上で曳航したりAUVなどの深海観測プラットフォームに搭載したりして行うことが一般的であり、ここから得られるデータのほとんどが水平方向の地磁気異常プロファイルである。鉛直方向の磁場変動に注目して実施された観測の数少ない前例としてはTivey(1996)が挙げられる。この研究はトランスフォーム断層の崖地形を利用して鉛直方向の地磁気異常プロファイルを獲得することにより、海洋地殻最上部の溶岩層は強く磁化している一方、その下のダイク層の磁化は非常に弱いことを発見した。この発見は海洋地殻の磁化構造の理解に関する稀有な証拠をもたらしたものの、他海域での観測に基づく検証がならせておらず、一般的に資する統一的な見解は未だ得られていない。そこで本研究では、トランスフォーム断層の深部から浅部にかけて海底近傍磁場観測を行うことにより、海洋地殻最上部の強磁化層と考えられている溶岩層の厚さとその場所による違いを特定する。また、深海底掘削で採取された岩石コアからダイク層の下のはんれい岩層も部分的に残留磁化を保持していることが示唆されており(Pariso and Johnson, 1993)、その2層の磁化構造の違いについても検討する。
我々は白鳳丸KH-24-4 航海において、中央インド洋海嶺のマリーセレストトランスフォーム断層の南側に存在する崖面をターゲットとして磁場観測を行った。断層南側には最大高低差約4kmの斜面が約210kmにわたって続いており、現在から過去1100万年にかけて形成された海洋地殻の断面が連続的に露出している。断層深部の岩石を目標としたドレッジが終了した後、ワイヤーの巻き上げと曳航を同時に行なうことでワイヤーに取り付けた小型の3成分磁力計を崖面付近に通過させた。これにより、海洋地殻起因の地磁気異常を鉛直断面による変化として観測した。異なる海洋地殻形成年代での違いを調べるため、同様の観測を断層内の8地点で行った。
データ解析では、溶岩層・ダイク層・はんれい岩層の3層構造を想定し、Talwani and Heirtzler(1964)をもとに2次元のフォワード計算を行った。岩相3層分の各磁化強度、溶岩層とダイク層の厚さ2層分をパラメータとして計算を繰り返し、観測された地磁気異常プロファイルをよく説明する磁化構造モデルを決定した。これをそれぞれの観測地点ごとに実施した。
解析の結果、いずれの観測地点においても特に浅部において強い地磁気異常を確認した。またフォワード計算の結果は、最上部300m程度に強磁化層(=溶岩層)、その下に3000m程度の弱い磁化層(=ダイク層)、さらにその下にダイク層とは異なる磁化強度を持つ領域(=はんれい岩層)が存在していることを示している。
我々は白鳳丸KH-24-4 航海において、中央インド洋海嶺のマリーセレストトランスフォーム断層の南側に存在する崖面をターゲットとして磁場観測を行った。断層南側には最大高低差約4kmの斜面が約210kmにわたって続いており、現在から過去1100万年にかけて形成された海洋地殻の断面が連続的に露出している。断層深部の岩石を目標としたドレッジが終了した後、ワイヤーの巻き上げと曳航を同時に行なうことでワイヤーに取り付けた小型の3成分磁力計を崖面付近に通過させた。これにより、海洋地殻起因の地磁気異常を鉛直断面による変化として観測した。異なる海洋地殻形成年代での違いを調べるため、同様の観測を断層内の8地点で行った。
データ解析では、溶岩層・ダイク層・はんれい岩層の3層構造を想定し、Talwani and Heirtzler(1964)をもとに2次元のフォワード計算を行った。岩相3層分の各磁化強度、溶岩層とダイク層の厚さ2層分をパラメータとして計算を繰り返し、観測された地磁気異常プロファイルをよく説明する磁化構造モデルを決定した。これをそれぞれの観測地点ごとに実施した。
解析の結果、いずれの観測地点においても特に浅部において強い地磁気異常を確認した。またフォワード計算の結果は、最上部300m程度に強磁化層(=溶岩層)、その下に3000m程度の弱い磁化層(=ダイク層)、さらにその下にダイク層とは異なる磁化強度を持つ領域(=はんれい岩層)が存在していることを示している。
