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[SCG55-P11] シャツキーライズ,タム山塊南西部斜面における
過去50万年間の炭酸塩の溶解変動

キーワード:シャツキーライズ、炭酸塩補償深度(CCD)、炭素循環、氷期ー間氷期サイクル
炭素循環は過去の気候変動と密接に関連している。例えば、第四紀 (258万年前–現在) においては、氷期―間氷期サイクルに伴って全球平均気温の変化および二酸化炭素濃度の増減が繰り返し発生した[1]。しかし、90 p.p.m.v.に達する間氷期と氷期の大気中二酸化炭素濃度の差は、まだ完全に説明しきれておらず、氷期炭素レザバー問題として長年議論されている[2]。炭素循環の中で、海洋深層における炭素の存在量は38000 GtCに達し、地球表層で最大の炭素レザバーである。このような観点から、多くの先行研究が海洋深層の果たした役割に注目し、第四紀の海底堆積物、およびその中の有孔虫や石灰質ナンノプランクトン化石の溶解指標を用いて、過去50–100万年間の炭酸塩溶解変動の検討を行っている [3–7]。しかしながら、太平洋における先行研究は、赤道域に着目したものが多く[3–7]、それ以外の海域において、同様のタイムスケールでの研究は十分には行われていない。
そこで、本研究は、黒潮続流域であるシャツキーライズ、タム山塊南西部斜面で得られた4本のピストンコア (KH-24-1 PC01–PC04) を用いて、過去50万年間の炭酸塩補償深度(CCD)の変動を復元することを目指した。これらのコア試料は現在のCCDを挟む上下の水深帯で採取されており、PC01は石灰質軟泥のみであるのに対し、PC02では石灰質軟泥と遠洋性粘土の互層、PC03およびPC04では遠洋性粘土が主な岩相である。本研究では、まず、相対古地磁気強度変動に基づく年代推定、色測定とXRFコアスキャナー (ITRAX) による元素分析を行い、各データの深度変化を用いて、同時間面の推定を行った。得られた堆積年代とクーロメーターによって求めた炭酸塩濃度を比較することで、研究対象試料において、氷期に炭酸塩の保存が良く、間氷期に溶解している傾向が確認できた。しかしながら、CCDは海洋酸素同位体ステージ(MIS)3–12の期間で大きな変動が見られない。その一方で、CCrD (carbonate critical depth;全岩炭酸塩濃度が 10%となる水深) は約900 mの変動が見られた。このような変動の要因として、研究対象海域の生物生産性および深層循環の変化が考えられる。
[1]Petit et al. (1999) Nature, 399(6735), 429-436. [2] 岡崎(2015) 地球化学, 49(3), 131-152. [3] Wu and Berger, (1991) Marine Geology, 96(3-4), 193-209. [4] Kimoto et al., (2003) Marine Micropaleontology, 47(3-4), 227-251. [5] Zhang et al., (2007) Marine Micropaleontology, 64(3-4), 121-140. [6] Farrell and Prell, (1989) Paleoceanography, 4(4), 447-466. [7] Murray et al., (2000) Paleoceanography, 15(6), 570-592.
そこで、本研究は、黒潮続流域であるシャツキーライズ、タム山塊南西部斜面で得られた4本のピストンコア (KH-24-1 PC01–PC04) を用いて、過去50万年間の炭酸塩補償深度(CCD)の変動を復元することを目指した。これらのコア試料は現在のCCDを挟む上下の水深帯で採取されており、PC01は石灰質軟泥のみであるのに対し、PC02では石灰質軟泥と遠洋性粘土の互層、PC03およびPC04では遠洋性粘土が主な岩相である。本研究では、まず、相対古地磁気強度変動に基づく年代推定、色測定とXRFコアスキャナー (ITRAX) による元素分析を行い、各データの深度変化を用いて、同時間面の推定を行った。得られた堆積年代とクーロメーターによって求めた炭酸塩濃度を比較することで、研究対象試料において、氷期に炭酸塩の保存が良く、間氷期に溶解している傾向が確認できた。しかしながら、CCDは海洋酸素同位体ステージ(MIS)3–12の期間で大きな変動が見られない。その一方で、CCrD (carbonate critical depth;全岩炭酸塩濃度が 10%となる水深) は約900 mの変動が見られた。このような変動の要因として、研究対象海域の生物生産性および深層循環の変化が考えられる。
[1]Petit et al. (1999) Nature, 399(6735), 429-436. [2] 岡崎(2015) 地球化学, 49(3), 131-152. [3] Wu and Berger, (1991) Marine Geology, 96(3-4), 193-209. [4] Kimoto et al., (2003) Marine Micropaleontology, 47(3-4), 227-251. [5] Zhang et al., (2007) Marine Micropaleontology, 64(3-4), 121-140. [6] Farrell and Prell, (1989) Paleoceanography, 4(4), 447-466. [7] Murray et al., (2000) Paleoceanography, 15(6), 570-592.
