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[SCG55-P14] IODP Site C0011,C0012における物性データの補完と合成地震記録の作成による南海トラフ熊野沖の地下構造モデルの評価
キーワード:海洋底掘削、南海トラフ、合成地震記録
プレート沈み込み帯での地震発生メカニズムを調査するために,近年,反射法地震探査データによる海底下の構造の評価が実施されている.しかし,反射法地震探査データのみを用いて海底下の堆積物・岩石の詳細な物性を評価することは難しいため,海洋底掘削によって直接採取されたコア試料の情報を含めた総合的な解析が不可欠である.ただし,海洋底掘削では掘削時の計画もしくは掘削時のトラブルによって,全深度でコア試料が採取されるわけではなく,その結果,深度方向に物性データの欠損が存在する.そこで,本研究では,IODP Site C0011,C0012で採取されたコア試料で得られた物性値から湿潤バルク密度,P波速度の物性値を補完するための回帰式の設定を行い,深度方向に対する連続的な物性値の補完を行った.さらに,補完した物性値を用いて合成地震記録の作成を行い,地下構造の評価を試みた.具体的には,湿潤バルク密度の物性値の補完のために深度―湿潤バルク密度の線形近似による回帰式を,P波速度の補完のために間隙率―P波速度の指数近似や対数近似による回帰式を設定し,深度方向での補完を行なった.さらに,構築した物性データから反射係数を算出した.合成地震記録を2006年にJAMSTECにより取得されたIFREE 3Dデータと比較した結果,反射法地震探査データと調和的な深度方向の変化が確認できたとともに、反射法地震探査データでは確認できない深度方向に厚さ5 mの岩石の狭在を検出した.よって,本研究では,コア試料を用いた反射係数データは反射法地震探査データの結果をより高精度化する手法として実証できたと言える.
