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[SCG55-P18] 西フィリピン海盆の磁気異常縞模様の再検討
キーワード:磁気異常縞模様、西フィリピン海盆(WPB)、背弧拡大、フィリピン海プレート(PSP)、太平洋プレート
西フィリピン海盆は,51 Ma頃に太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込み始めたことに起因する背弧拡大によって形成されたとされている(例えば,Ishizuka et al., 2024).沈み込み当初フィリピン海プレートは赤道付近に存在し,時計回りに回転しながら北上したと考えられている(例えば,Wu et al., 2016).Hilde and Lee(1984)は海盆内全体の磁気異常縞模様を特定したが,同定した磁気異常縞模様の中に太平洋プレート沈み込み開始の年代よりも前のものがある.これはプレートの沈み込みによって引き起こされる背弧拡大の開始の年代に矛盾し,海盆の形成過程を説明するのに十分な結果とは言えない.その後,いくつかの研究で部分的に変更されてきた(例えば,Deschamps and Lallemand, 2002; Sasaki et al., 2014)が,海盆全体に関する再検討は行われていない.また,マルチビーム海底地形データに基づいた海底拡大起因する地形的特徴に関するいくつかの研究からは,Hilde and Lee(1984)の同定結果で説明できない地形的特徴が報告されている(例えば,Deschamps and Lallemand, 2002; Taylor and Goodliffe, 2004; Luo et al., 2024).このようなことから新たに西フィリピン海盆における磁気異常縞模様を同定する必要がある.
本研究では曳航式磁力計で取得された全磁力データを使用して海盆全体の磁気異常コンタ図を作成し,線状の磁気異常の分布を特定したうえで磁気異常縞模様の再検討を行った.磁気異常のクロスオーバーエラーの軽減にはIshihara (2015)の手法を用いた.この手法でも軽減できていないクロスオーバーエラーに関しては,該当航路の磁気異常のデータから他の磁気異常の平均からの残差を引くことで軽減した.また,磁気異常縞模様の同定にはOgg (2020)の地磁気逆転年表を使用した.
同定結果から,一番古い磁気異常縞模様は,磁気異常番号20r (約50 Ma)である.この年代は,51 Ma頃に太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込みを開始したことにより,西フィリピン海盆が形成開始したという説(Ishizuka et al., 2024)を支持する.また,海盆磁気異常縞模様の分布から,最後に拡大した部分がCBF東端であることがわかり,これはLuo et al. (2024)の海嶺伝播を伴う海盆拡大のプロセスを一部支持するものである.
本研究では曳航式磁力計で取得された全磁力データを使用して海盆全体の磁気異常コンタ図を作成し,線状の磁気異常の分布を特定したうえで磁気異常縞模様の再検討を行った.磁気異常のクロスオーバーエラーの軽減にはIshihara (2015)の手法を用いた.この手法でも軽減できていないクロスオーバーエラーに関しては,該当航路の磁気異常のデータから他の磁気異常の平均からの残差を引くことで軽減した.また,磁気異常縞模様の同定にはOgg (2020)の地磁気逆転年表を使用した.
同定結果から,一番古い磁気異常縞模様は,磁気異常番号20r (約50 Ma)である.この年代は,51 Ma頃に太平洋プレートがフィリピン海プレートの下に沈み込みを開始したことにより,西フィリピン海盆が形成開始したという説(Ishizuka et al., 2024)を支持する.また,海盆磁気異常縞模様の分布から,最後に拡大した部分がCBF東端であることがわかり,これはLuo et al. (2024)の海嶺伝播を伴う海盆拡大のプロセスを一部支持するものである.
