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[SCG55-P22] 南西インド洋海嶺東経37度付近の屈折法地震探査
キーワード:超低速海嶺、南西インド洋海嶺、マリオンホットスポット
中央海嶺ではプレート間を埋めるようにマントル物質の上昇があり、新しい海洋性地殻・リソスフェアが形成される。生成される海洋地殻の構造は海嶺の拡大速度によって大きく異なることが知られている。例えば、高速拡大海嶺の東太平洋海膨では、海嶺軸はゆるやかな高まりを示し、2次元的なマントル上昇流が均質な地殻を生成している。高速拡大系における地殻の厚さは 6~7km である。一方、大西洋中央海嶺に代表される低速拡大系では海嶺軸に中軸谷が発達し、マントル上昇パターンは 3 次元的になり、 不均質な地殻を示す。また、低速拡大系における地殻の厚さは高速拡大系のそれよりも薄くなるとされている。しかし、近年、中央海嶺の多様性を決めるのは拡大速度のみではなく、拡大速度とメルトの供給量のバランスであることが明らかになってきている。拡大速度が遅い地域でも、近くにホットスポットが存在するような中央海嶺では、 通常よりも厚い、高速拡大系で見られるような、地殻が形成されるという報告もあり、逆に同じ拡大速度であってもメルト供給量が少ない地域では、海洋地殻の生産が乏しく、大規模な正断層が発達してマントル物質を海底に露出させることで海底拡大が担われているといった例が報告されている。 このように拡大速度以外のパラメータによって中央海嶺下の構造がどのように変化するのかを調べるため、2008年1月に海洋研究開発機構(JAMSTEC)の観測船「白鳳丸」の KH07-4 次研究航海において海底地震計10台とエアガンを使用した南西インド洋海嶺、東経 37°付近での地殻構造探査を行った。南西インド洋海嶺は、拡大速度が15m/yr程度の超低速拡大海嶺に分類され、本研究領域の南東側にマリオンホットスポットが存在し、また、2、 3 個のセグメントの存在が示唆される。また、その海嶺軸の南北、または東西でメルトの供給量が異なることが予想され、拡大速度以外の要因によるメルト供給量の違いが顕著な構造の差を生み出していることが期待される。
解析では、まず測線下の2次元構造をPMDM法(Sato and Kennett, 2000)を用いて求めた。得られた2次元モデルから作成した3次元モデルを初期モデルとしてFAST(Zelt and Barton, 1998)を用いて3次元P波速度構造を求めた。P波走時のpickは3878個で、解析の結果RMSは、149msから51msとなり、χ2は1.07となった。
得られた構造のうち、観測領域北東側で、深さ5~7 kmまで周囲よりも地震波速度の遅 い領域が確認された。この領域は、観測領域の東西に延びるセグメント地形付近であり、このセグメントにホットスポットからメルトが供給され、周囲よりも地震波速度が遅くなっていることが考えられる。
謝辞
観測にあたり、海洋研究開発機構白鳳丸の船長と船員の方々に協力していただきました。解析では、北村貴幸氏の千葉大学修士論文の結果を使用させていただきました。ここに記して感謝します。
解析では、まず測線下の2次元構造をPMDM法(Sato and Kennett, 2000)を用いて求めた。得られた2次元モデルから作成した3次元モデルを初期モデルとしてFAST(Zelt and Barton, 1998)を用いて3次元P波速度構造を求めた。P波走時のpickは3878個で、解析の結果RMSは、149msから51msとなり、χ2は1.07となった。
得られた構造のうち、観測領域北東側で、深さ5~7 kmまで周囲よりも地震波速度の遅 い領域が確認された。この領域は、観測領域の東西に延びるセグメント地形付近であり、このセグメントにホットスポットからメルトが供給され、周囲よりも地震波速度が遅くなっていることが考えられる。
謝辞
観測にあたり、海洋研究開発機構白鳳丸の船長と船員の方々に協力していただきました。解析では、北村貴幸氏の千葉大学修士論文の結果を使用させていただきました。ここに記して感謝します。
