日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] ポスター発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG55] 海洋底地球科学

2025年5月28日(水) 17:15 〜 19:15 ポスター会場 (幕張メッセ国際展示場 7・8ホール)

コンビーナ:飯沼 卓史(国立研究開発法人 海洋研究開発機構)、藤井 昌和(国立極地研究所 / 総合研究大学院大学)、尾張 聡子(東京海洋大学)、山本 揚二朗(海洋研究開発機構)


17:15 〜 19:15

[SCG55-P29] 海底地殻変動観測におけるキネマティックGNSS解析の最適パラメターの検討

*和田 峻汰1生田 領野1原田 靖2佐柳 敬造3 (1.静岡大学理学部地球科学科、2.東海大学海洋学部海洋地球科学科、3.東海大学海洋研究所)

キーワード:GNSS-A、海底地殻変動、RTKLIB

海上トランスデューサ-海底トランスポンダ間の音響測距によって測位を行うGNSS-音響測距結合方式(GNSS-A)の海底地殻変動観測において、海上トランスデューサの位置を決定するキネマティックGNSS解析の誤差は、海底トランスポンダの測位誤差の大きな要因である. 本研究では,駿河湾で行った繰り返しGNSS-Aキャンペーンにおいて,キネマティックGNSS解析にRTKLIB(高須2009)と ,Tim Everett氏により廉価GNSS受信機に対応するように改変されたRTKLIB Explorer (https://rtkexplorer.com/)を用い,最適と思われるパラメターセッティングを検討した.
 本研究は駿河湾におけるGNSS-A観測実施時の実データを解析対象とした.GNSS-A観測キャンペーンは2023年4月から2025年1月まで合計15回行われており,各キャンペーンではGPS衛星データを3-5時間,5Hzサンプリングで取得した.解析は陸上基準局を用いるKinematic解析と,用いないPrecise Point Positioning-Kinematic(PPP-Kinematic)解析とを実施した.Kinematic解析の基線長は約30kmである.アンテナは観測船側にHX-CSX601A (Harxon),基準局にチョークリング(Trimble)を,受信機は観測船側にNet-R8(Trimble),基準局に5700(Trimble)を用いた.解析結果の評価は,アンテナの正しい座標が不明のため,アンテナの楕円体高の1分間平均を天文潮汐による理論海面高と比較して行った.
 2つのソフトウェアで測位オプションを網羅的に変更しながら解析し,高度に基づいた結果の評価を行った.海面とトランスデューサ位置との差がよく一致するオプションは,RTKLIB Explorerで,受信機ダイナミクスをデフォルトのOFFからONに、電離圏遅延補正を従来使用していたIono-Free LCからEstimate TECに変更した場合であった.この時,実観測高度が理論海面変動によく追随し,合計15回,約60時間の総観測期間中,その変動は最大約40cmに収まった.
 本発表では最適化されたGNSS測位解を用いた2023年4月~2025年1月の海底局位置解析の結果も紹介する(観測は2025年2月,3月も実施予定).