日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG57] ハイブリッド年代学ー年代値の意味とは?ー

2025年5月27日(火) 13:45 〜 15:15 201A (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:仁木 創太(名古屋大学宇宙地球環境研究所年代測定研究部)、伊藤 健吾(東京大学)、坂田 周平(東京大学地震研究所)、岩野 英樹(東京大学附属地殻化学実験施設)、座長:伊藤 健吾(東京大学)、坂田 周平(東京大学地震研究所)

14:00 〜 14:15

[SCG57-08] 古地磁気強度を用いた年代推定〜海底火山から考古遺物まで〜

*吉村 由多加1 (1.国立極地研究所)

キーワード:古地磁気強度年代推定、海底火山、考古遺物、非双極子磁場

地磁気の方位と強度は数千年〜数万年の時間スケールで変動することが知られており、地磁気永年変化と呼ばれる。一般に地磁気は双極子として想定されることが多いが、永年変化は非双極子磁場の変動である。その変動は地域特有のパターンを持っており、各地域の年代付きの過去の地磁気記録(古地磁気)を測定し、それらをコンパイルすることによって方位と強度の標準曲線が構築される。標準曲線をその時代のタイムマーカーとして利用することで、年代の不明な火山岩の噴出年代や、焼成考古遺物(土器、瓦など)の作成年代を推定することが可能となる。これが古地磁気年代推定法である。海底の火山岩においては、10万年よりも最近に形成された海底玄武岩の絶対年代の測定は一般に難しい。これは、陸上の火山では炭化物に対する放射性炭素年代測定が可能であるのに対し、海中噴火の火山では困難だからである。発掘された焼成考古遺物においても、そこに炭化物が付着していない場合、放射性炭素年代測定は不可能である。また、土器の形状がわからない場合には、形状による年代の前後関係の推定(形状による土器編年)が難しい。さらに、これらの対象物は方位付きのサンプリングが難しいという問題がある。古地磁気強度による年代推定は、サンプルに対する方位付けの必要がなく、従来の方法では困難な年代推定を補完する手法として注目を集めている。本発表では古地磁気強度による年代推定に着目し、中央海嶺や伊豆海底火山の活動年代の推定や、国内外の焼成考古遺物の形成年代の推定に関する例を紹介する。