日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG59] 沈み込み帯へのインプット:海洋プレートの進化と不均質

2025年5月25日(日) 13:45 〜 15:15 304 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:鹿児島 渉悟(富山大学)、平野 直人(東北大学東北アジア研究センター)、藤江 剛(海洋研究開発機構)、赤松 祐哉(国立研究開発法人海洋研究開発機構)、座長:鹿児島 渉悟(富山大学)、平野 直人(東北大学東北アジア研究センター)、藤江 剛(海洋研究開発機構)、赤松 祐哉(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

14:15 〜 14:30

[SCG59-03] 南海トラフ全域にわたる沈み込む海洋プレートの基盤上面の起伏

*白石 和也1中村 恭之1新井 隆太1野 徹雄1海宝 由佳1三浦 亮1仲西 理子1三浦 誠一1藤江 剛1小平 秀一1 (1.海洋研究開発機構)

キーワード:南海トラフ、基盤、海洋プレート、反射波プロファイル、沈み込み帯

南海トラフに沈み込む海洋プレートの基盤上面の地形的特徴を全域にわたって明らかにするため、1997年から2024年にかけて実施された反射法地震探査プロファイルをコンパイルした。2018年からの複数年にわたる集中的な調査により、高密度な反射法地震探査データを新たに収集し、南海トラフ沈み込み帯の大部分を4kmまたは8km間隔でカバーできるようになった。縦軸が往復走時の反射波プロファイルを用いることで新旧の多数のデータで一貫した解釈を行い、東西方向の長さ730kmと南北方向の幅150kmにおよぶ、主として海洋地殻からなる基盤上面のサーフェスモデルを作成した。次に、既存の広域3次元速度モデルを用いて、時間領域から深度領域への変換を行ったところ、深さ15-20kmまでのサーフェスモデルが得られ、過去に提案されたプレート形状モデルと比較して詳細な地形的特徴をとらえられた。高密度な反射法地震探査データにより、数kmのスケールで海洋地殻上面の地形変化を捉えられた。沈み込み海洋プレートの基盤上面の地形的特徴に基づいて、南海トラフ沈み込み帯を3つの領域に分割した。西側の領域(日向灘地域)は、九州-パラオ海嶺の北方延長にあたる大きなリッジと九州方面への急峻なプレート沈み込みが特徴である。中央の領域(南海地域)は、海山やリッジからなる広範な地形起伏と線状窪地が特徴的で、それらは過去の四国海盆の海底拡大とその後の火成活動によって沈み込む前に形成されたと考えられる。東部領域(東南海〜東海地域)は、古ゼニス海嶺に関連する東西方向に複数の海嶺が並ぶ起伏が特徴的である。これらの区分された領域は、南海トラフ沿いの巨大地震発生帯のセグメントによく対応する。一方、全域で見られる特徴的なリッジ群は、必ずしもスロー地震の活動分布と関連していないようである。海洋プレート上の基盤の地形的特徴に加え、地震活動の時空間変動を支配する他の地質学的要因について、さらなる調査が必要である。