16:45 〜 17:00
[SCG59-12] 紀伊半島におけるHi-net観測井の熱流量評価とそれらと地球物理データを統合した熱流量空間分布の推定
キーワード:熱流量、紀伊半島、Hi-net、フィリピン海プレート、スラブ由来流体
紀伊半島は、フィリピン海プレートの沈み込みに関連した特徴的な熱流量を示しており、この地域の地震活動や温度異常はスラブ由来の流体との関連が示唆されている。本研究では、防災科研のHi-net観測井における熱流量を精緻化し、他の利用可能な熱流量の公開データとコンパイルすることで、紀伊半島における熱流量の評価を行った。Hi-net観測井は日本全国に約15–20 km 間隔で分布しており、紀伊半島にも多くの観測井がある。Hi-netの観測井では、掘削カッティングス及び最深部25m分のコアが観測施設内に保管されている。本研究では、熱流量を精緻化するため、当該井戸のコア試料に加えてカッティングスの熱伝導率も測定した。また、温度プロファイルは、気候変動の影響を考慮して補正を行った。加えて、対象地域および周辺の熱流量とスラブ深度や重力異常、モホ面深度等の地球物理データの関係性を機械学習の1つであるXGBoostで学習することで、熱流量の空間分布の推定を行った。
コアに加えて、カッティングスの熱伝導率を測定することによって、Hi-net観測井での異なる岩相における熱伝導率の違いがより明瞭になった。また、Hi-netとその他の熱流量データをコンパイルしたところ、トラフ軸からの距離に対して、2つの高熱流量のピークが存在する可能性があることが分かった。1つの高熱流量ピークは、プレートの沈み込む方向においてトラフ軸から約100 km付近に位置し、深部低周波地震が発生している場所と大よそ一致する。一方、もう1つの高熱流量のピークは、トラフ軸から約130 kmの場所にあるHi-net観測井の場所に位置している。このHi-net観測井の位置での高い熱流量は、熱伝導率の不確実性や地形および堆積速度の温度プロファイルへの影響を考慮しても、十分に有意である可能性が高い。さらに、XGBoostによって推定した熱流量分布も、大よそトラフ軸に平行して、2つの高熱流量の帯が存在していることを示唆した。また、熱流量と温度データから、深さ約5 kmまでの3次元的な温度分布を推定し、この特異な温度分布の原因として高温流体の上昇によると仮定して試算したところ、高熱流量に起因する高温域は深部からの地殻流体の上昇によって説明できる可能性を示した。
コアに加えて、カッティングスの熱伝導率を測定することによって、Hi-net観測井での異なる岩相における熱伝導率の違いがより明瞭になった。また、Hi-netとその他の熱流量データをコンパイルしたところ、トラフ軸からの距離に対して、2つの高熱流量のピークが存在する可能性があることが分かった。1つの高熱流量ピークは、プレートの沈み込む方向においてトラフ軸から約100 km付近に位置し、深部低周波地震が発生している場所と大よそ一致する。一方、もう1つの高熱流量のピークは、トラフ軸から約130 kmの場所にあるHi-net観測井の場所に位置している。このHi-net観測井の位置での高い熱流量は、熱伝導率の不確実性や地形および堆積速度の温度プロファイルへの影響を考慮しても、十分に有意である可能性が高い。さらに、XGBoostによって推定した熱流量分布も、大よそトラフ軸に平行して、2つの高熱流量の帯が存在していることを示唆した。また、熱流量と温度データから、深さ約5 kmまでの3次元的な温度分布を推定し、この特異な温度分布の原因として高温流体の上昇によると仮定して試算したところ、高熱流量に起因する高温域は深部からの地殻流体の上昇によって説明できる可能性を示した。