日本地球惑星科学連合2025年大会

講演情報

[J] 口頭発表

セッション記号 S (固体地球科学) » S-CG 固体地球科学複合領域・一般

[S-CG60] 機械学習による固体地球科学の牽引

2025年5月26日(月) 13:45 〜 15:15 105 (幕張メッセ国際会議場)

コンビーナ:久保 久彦(国立研究開発法人防災科学技術研究所)、直井 誠(北海道大学)、矢野 恵佑(統計数理研究所)、田中 優介(国土地理院)、座長:田中 優介(東北大学)、久保 久彦(国立研究開発法人防災科学技術研究所)

14:45 〜 15:15

[SCG60-05] 機械学習で進化するリモートセンシングと点群処理技術

★招待講演

*篠原 崇之1 (1.産業技術総合研究所)

キーワード:機械学習、リモートセンシング、点群、基盤モデル、3次元モデル

リモートセンシングと点群処理技術は、空間情報解析の分野で急速に進化しており、特に機械学習技術の導入により、その可能性が飛躍的に広がっている。本講演では、これらの技術がどのように進化し、実際の利活用においてどのような役割を果たしているのかを事例を交えて報告する。

まず、リモートセンシング分野において、アーカイブデータに対して付加価値を高める手法として、超解像やカラー化技術が注目されている。これらの技術を駆使することで、衛星画像や航空写真の判読性を向上させ、より詳細な情報を抽出することが可能となる。著者が行った事例では、AI技術を活用することで、従来の手法では難しかった高解像度化や色調整を自動化し、データ解析の精度を向上させることができた。

次に、点群処理分野では、計測、分類、モデル化の工程が重要な役割を果たしている。特に分類とモデル化の段階においては、機械学習、特にディープラーニングを利用した手法が効果を発揮している。著者が行った事例では、分類技術においてAIを活用し、点群データを正確にラベル付けし、モデル化の過程では、地形や構造物を高精度に再現するために機械学習アルゴリズムを利用した。これにより、従来の手法では実現できなかった精緻な3Dモデルの生成が可能となり、都市計画や災害予測における重要なツールとなっている。

さらに、著者が現在行っている研究では、合成データを利用した効率的な教師あり学習手法の構築に取り組んでおり、実際のデータが乏しい状況でも高精度なモデルを構築する方法を模索している。合成データを活用することで、学習データの不足を補い、現実のデータでは困難な状況を克服する可能性がある。また、地形データに関する基盤モデルの作成にも注力しており、これにより、地形解析や都市計画、災害予測におけるモデルの精度と適用範囲を大きく拡大することが期待されている。

本講演では、これらの技術の最新動向と実際の適用例を事例として紹介し、AIがリモートセンシングと点群処理の分野でどのように革新をもたらしているかを報告する。また、現在進行中の研究内容も紹介し、今後の技術革新に向けた展望を共有する。