17:15 〜 19:15
[SCG60-P05] オートエンコーダを用いた火山性地震波形の特徴抽出と分類
キーワード:オートエンコーダ、クラスタリング、火山性地震、深層学習、機械学習
火山地帯では火山活動に関連して頻繁に活発な群発地震が発生する。それらのモニタリングは現在の火山活動を評価するために重要な手段の一つであり, マグマや熱水などの火山流体の動きに関連する地下の物理プロセスの解明に寄与する。火山性地震は様々な特徴から大きく「A型地震」, 「B型地震」, 「火山性微動」, 「爆発地震」の4つのタイプに分類することができる。火山ごとに上記の4タイプの発生頻度が違ったり, さらに細分化されたり, その他の地震タイプが存在する場合もあるが、噴火前にはまずA型地震の頻発から始まり, B型地震および火山性微動の頻発という順番で地震が発生するなど, 噴火に至るまでに発生する地震のタイプの変化が見られることが多い。しかし, これらの地震の発生と噴火の具体的な関連性は依然として明確に説明されていない。そのような背景から高精度な地震タイプの分類は火山地震と噴火活動の関係を明らかにする上で極めて重要であると考えられる。
一方で, 現在の火山性地震の分類は主に地表活動の目視観察に基づいて行われており, 人的労力や時間コストがかかる。また, 分類の基準は観察者によって変化する場合がある。火山性地震分類を自動化するためにいくつかの機械学習モデルが提案されているが, 依然として主観的なラベリングがモデルの性能や解釈性に影響を与えている事が, Transformer encoderを用いたSuzuki et al. (2025)の研究で示唆された。そこで, 本研究では教師なし学習による火山性地震の特徴抽出のために, Convolutional Neural Network (CNN) オートエンコーダを用い, 得られた潜在空間に基づいてk-meansクラスタリングを適用し, 地震タイプの分類を行った。解析にはSuzuki et al. (2025)と同じデータセットを使用し, 2003年1月から2022年10月までに浅間山で発生した火山性地震38,690個, 231,727波形を使用した。使用したすべての波形は人間の手によって位相の検測が行われており, A型, もしくはB型のラベルが付与されている(以下, オリジナルカタログ)。本研究ではエンコーダおよびデコーダがそれぞれ各2層, 3層, 4層, さらに潜在空間の次元数を8と16にした6種類のモデルに, クラスタ数, kを2,3と変化させ分類を行った。その結果, 「エンコーダ, デコーダ層数が各2層, k=2, 潜在空間の次元数8」において再構成誤差が最小, クラスタリング評価指標に用いたシルエット係数が最大となった。上記クラスタリング結果において決定されたプロトタイプは1つがA型地震の特徴であるS波が明瞭な地震波形, もう1つがB型の特徴と似たS波が不明瞭な地震波形であったので, それぞれのクラスターをA型, B型と考えた。この結果をオリジナルカタログと比較すると, オリジナルカタログではすべての浅い地震がB型となっていたところ, 本研究の結果では浅い地震もA型地震に分類されるものが多々あった。しかし火道に沿った部分と考えられる箇所ではほとんどがB型に分類されており, それらの地震が火道内のガスの移動やマグマの発砲などが起因するものという仮定と整合する。
今後は, オートエンコーダの再構成誤差をさらに小さくするためのパラメータ調整, クラスタリング結果と波形の精査を行い, 火山性地震の特徴と火山噴火との関連性についての理解の深化を目指す。
一方で, 現在の火山性地震の分類は主に地表活動の目視観察に基づいて行われており, 人的労力や時間コストがかかる。また, 分類の基準は観察者によって変化する場合がある。火山性地震分類を自動化するためにいくつかの機械学習モデルが提案されているが, 依然として主観的なラベリングがモデルの性能や解釈性に影響を与えている事が, Transformer encoderを用いたSuzuki et al. (2025)の研究で示唆された。そこで, 本研究では教師なし学習による火山性地震の特徴抽出のために, Convolutional Neural Network (CNN) オートエンコーダを用い, 得られた潜在空間に基づいてk-meansクラスタリングを適用し, 地震タイプの分類を行った。解析にはSuzuki et al. (2025)と同じデータセットを使用し, 2003年1月から2022年10月までに浅間山で発生した火山性地震38,690個, 231,727波形を使用した。使用したすべての波形は人間の手によって位相の検測が行われており, A型, もしくはB型のラベルが付与されている(以下, オリジナルカタログ)。本研究ではエンコーダおよびデコーダがそれぞれ各2層, 3層, 4層, さらに潜在空間の次元数を8と16にした6種類のモデルに, クラスタ数, kを2,3と変化させ分類を行った。その結果, 「エンコーダ, デコーダ層数が各2層, k=2, 潜在空間の次元数8」において再構成誤差が最小, クラスタリング評価指標に用いたシルエット係数が最大となった。上記クラスタリング結果において決定されたプロトタイプは1つがA型地震の特徴であるS波が明瞭な地震波形, もう1つがB型の特徴と似たS波が不明瞭な地震波形であったので, それぞれのクラスターをA型, B型と考えた。この結果をオリジナルカタログと比較すると, オリジナルカタログではすべての浅い地震がB型となっていたところ, 本研究の結果では浅い地震もA型地震に分類されるものが多々あった。しかし火道に沿った部分と考えられる箇所ではほとんどがB型に分類されており, それらの地震が火道内のガスの移動やマグマの発砲などが起因するものという仮定と整合する。
今後は, オートエンコーダの再構成誤差をさらに小さくするためのパラメータ調整, クラスタリング結果と波形の精査を行い, 火山性地震の特徴と火山噴火との関連性についての理解の深化を目指す。