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[SCG60-P13] 機械学習による粒内亀裂の自動検出方法の開発

キーワード:機械学習、画像処理、粒内亀裂
岩盤中に発達した断層は、未変形の岩石とは異なる透水性を持つ。断層帯の内部構造、特に亀裂のネットワークの発達に影響を与える主な要因の一つとして、断層形成前の岩石内の亀裂分布が挙げられる。菊池ほか(2021)では、母岩中の亀裂分布が断層の内部構造に及ぼす影響を調べる目的で、砂岩試料を用いた封圧下での軸変形実験と変形前後の試料内部の構造解析が行われた。この解析では、石英の粒内亀裂密度分布を調べるために亀裂の手動検出が行われたが、この方法では検出者の知識や経験が結果に影響を与えうること、高精度かつ客観的な評価が困難であること、膨大な時間と労力を要することなどの問題がある(山根・全, 2019)。そこで、本研究では、粒内亀裂の検出に画像処理と機械学習を適用することを試みる。画像処理および機械学習を用いた亀裂検出に関する研究は、主に岩石表面や人工構造物の亀裂を対象としたものが多い(e.g. Gharineiat et al., 2022)。しかし、本研究の目的は鉱物内の亀裂検出であり、画像処理を用いる際には、亀裂と粒界を正確に区別する必要がある。岩石を構成する鉱物内の亀裂のみを対象とした先行研究は限られており、その手法は十分に確立されていない。そこで本研究では、画像処理と機械学習を用いて、インド産砂岩の薄片画像から石英粒の粒内亀裂の自動検出する手法の開発を目的とした。
実験試料として、菊池ほか(2021)の使用したインド・ラジャスタン地方産の砂岩(石英68.2%, 斜長石9.5%, カリ長石18.2%, 雲母 0.7%, その他 3.3%. 高知コア研究所より情報提供)の変形前の試料の薄片を使用した。この岩石を構成する鉱物の粒径は約0.02 mm - 0.1 mmである。本研究では、薄片のSEMの反射電子画像、二次電子画像および偏光顕微鏡の直交ニコル画像を用いて、石英粒内の亀裂の自動検出を試みる。想定している粒内亀裂の検出方法は次のとおりである。①SEM画像と偏光顕微鏡画像の位置合わせ、②薄片内の石英領域の検出、③偏光顕微鏡画像を用いて石英粒界の検出、④SEMの二次電子画像を用いて亀裂と粒界を検出し、③で検出した粒界と重ね合わせることで、石英粒内の亀裂を検出する。①では、それぞれの画像中の互いに対応する点を手動で検出しそれらの位置の一致度が最適になるよう画像をスケーリング・回転・平行移動(アフィン変換)した。②では、SEMの反射電子像に対して、機械学習で石英、非石英、樹脂と不透明鉱物のクラスに分類した。機械学習には、FijiのTrainable Weka Segmentation(TWS)プラグインを使用した。③では、石英領域をHSV色空間に変換し、閾値処理を適用して鉱物粒界を強調するため二値化処理を施し、その後エッジ検出をした。④の亀裂と粒界の検出では、形態学的開閉処理を用いた。
本研究の結果として、②については、石英領域の検出精度は正解率79.25%、適合率81.17%を達成した。また、①の画像の位置合わせに関しては、画像間で輝度やコントラストの違いがあるものの、特徴的な領域を対応点として選択することで、高精度な位置合わせが可能であることを確認した。さらに、対応点の選び方が誤差に影響を与えることが分かり、適切な特徴点を選択することで誤差を抑えられることが示された。③、④で行った最終的な亀裂検出については、実際のSEM画像と偏光顕微鏡画像の代わりに、それらを模倣したテスト画像を用いて検証を行った。その結果、一部の粒界が認識されず亀裂として誤検出される問題が生じた。これは、③の二値化処理によって粒界の濃淡情報が単純化されたことが原因と考えられる。
実験試料として、菊池ほか(2021)の使用したインド・ラジャスタン地方産の砂岩(石英68.2%, 斜長石9.5%, カリ長石18.2%, 雲母 0.7%, その他 3.3%. 高知コア研究所より情報提供)の変形前の試料の薄片を使用した。この岩石を構成する鉱物の粒径は約0.02 mm - 0.1 mmである。本研究では、薄片のSEMの反射電子画像、二次電子画像および偏光顕微鏡の直交ニコル画像を用いて、石英粒内の亀裂の自動検出を試みる。想定している粒内亀裂の検出方法は次のとおりである。①SEM画像と偏光顕微鏡画像の位置合わせ、②薄片内の石英領域の検出、③偏光顕微鏡画像を用いて石英粒界の検出、④SEMの二次電子画像を用いて亀裂と粒界を検出し、③で検出した粒界と重ね合わせることで、石英粒内の亀裂を検出する。①では、それぞれの画像中の互いに対応する点を手動で検出しそれらの位置の一致度が最適になるよう画像をスケーリング・回転・平行移動(アフィン変換)した。②では、SEMの反射電子像に対して、機械学習で石英、非石英、樹脂と不透明鉱物のクラスに分類した。機械学習には、FijiのTrainable Weka Segmentation(TWS)プラグインを使用した。③では、石英領域をHSV色空間に変換し、閾値処理を適用して鉱物粒界を強調するため二値化処理を施し、その後エッジ検出をした。④の亀裂と粒界の検出では、形態学的開閉処理を用いた。
本研究の結果として、②については、石英領域の検出精度は正解率79.25%、適合率81.17%を達成した。また、①の画像の位置合わせに関しては、画像間で輝度やコントラストの違いがあるものの、特徴的な領域を対応点として選択することで、高精度な位置合わせが可能であることを確認した。さらに、対応点の選び方が誤差に影響を与えることが分かり、適切な特徴点を選択することで誤差を抑えられることが示された。③、④で行った最終的な亀裂検出については、実際のSEM画像と偏光顕微鏡画像の代わりに、それらを模倣したテスト画像を用いて検証を行った。その結果、一部の粒界が認識されず亀裂として誤検出される問題が生じた。これは、③の二値化処理によって粒界の濃淡情報が単純化されたことが原因と考えられる。