17:15 〜 19:15
[SCG61-P06] 小地震の震源メカニズム解による日本列島内陸部ストレスマップ
★招待講演
キーワード:地震、地殻応力場、応力インバージョン解析、深層学習、日本列島
応力は地形の形成や地震の発生に関連するテクトニクスを理解するために不可欠である。逆に、地形と地震によって応力場を調べることができる。特に、震源メカニズムは深部において応力方向を推定するのに有用である。Michael(1987)は震源メカニズム解のすべりベクトルから応力方向を推定する方法を提案した。これは、断層が最大せん断応力の方向に平行に滑るというWallace Bott仮説(Wallace, 1951; Bott, 1959)に基づく。この応力インバージョンにより、応力マップを作成することが可能になった(例えば、Heidbach et al., 2008, 2016, 2018; Hardebeck and Hauksson, 2001; Terakawa and Matsu’ura, 2010, 2023; Yukutake et al., 2015)。
応力推定の精度を高める方法の一つは、震源メカニズム解の数を増やすことである。これには、多数の小地震の震源メカニズム推定が必要である。その際、解析のボトルネックになるのが、通常手動で行われるP波初動極性の検測である。この問題は、最近のAI技術の発展によって解決されつつある(例、Ross et al., 2018; Hara et al., 2019, 2020; Uchide, 2020)。
我々は、日本列島周辺の内陸浅部における応力場を対象に研究を行った。まず、2003年から2020年までに発生した、20 km以浅で、日本列島の海岸線の内側または50 km以内で発生した660,332個の地震の震源メカニズムを推定した。P波の初動極性をピックするための深層学習モデル(Uchide, 2020)を使用して、900万本以上の地震波形データを解析した。次に、HASHプログラム(Hardebeck and Shearer, 2002, 2008)を使用して、216,528個の良質な震源メカニズム解(ランクAからC)を求めた。
これらの震源メカニズム解を使用した応力インバージョンにより、全国的な応力方向と応力比の分布が得ることができた(Uchide et al., 2022)。大局的な東西圧縮と局所的な不均一性を見ることができる。熊本の日奈久断層帯・布田川断層帯、四国の中央構造線、静岡市周辺の糸魚川・静岡構造線などの地質境界付近で応力方位が変化する例も見られた。
この応力マップはテクトニクスの理解を助けるほか、スリップテンデンシー(Morris et al., 1996)やその他の指標によって断層の地震ポテンシャルを評価するのにも活用できる。今後、同じ手法により、より解析範囲を広げていく予定である。
謝辞:本研究では防災科学技術研究所Hi-net、気象庁、産業技術総合研究所地質調査総合センターにより得られた地震波形データと気象庁一元化処理震源カタログを使用しました。
応力推定の精度を高める方法の一つは、震源メカニズム解の数を増やすことである。これには、多数の小地震の震源メカニズム推定が必要である。その際、解析のボトルネックになるのが、通常手動で行われるP波初動極性の検測である。この問題は、最近のAI技術の発展によって解決されつつある(例、Ross et al., 2018; Hara et al., 2019, 2020; Uchide, 2020)。
我々は、日本列島周辺の内陸浅部における応力場を対象に研究を行った。まず、2003年から2020年までに発生した、20 km以浅で、日本列島の海岸線の内側または50 km以内で発生した660,332個の地震の震源メカニズムを推定した。P波の初動極性をピックするための深層学習モデル(Uchide, 2020)を使用して、900万本以上の地震波形データを解析した。次に、HASHプログラム(Hardebeck and Shearer, 2002, 2008)を使用して、216,528個の良質な震源メカニズム解(ランクAからC)を求めた。
これらの震源メカニズム解を使用した応力インバージョンにより、全国的な応力方向と応力比の分布が得ることができた(Uchide et al., 2022)。大局的な東西圧縮と局所的な不均一性を見ることができる。熊本の日奈久断層帯・布田川断層帯、四国の中央構造線、静岡市周辺の糸魚川・静岡構造線などの地質境界付近で応力方位が変化する例も見られた。
この応力マップはテクトニクスの理解を助けるほか、スリップテンデンシー(Morris et al., 1996)やその他の指標によって断層の地震ポテンシャルを評価するのにも活用できる。今後、同じ手法により、より解析範囲を広げていく予定である。
謝辞:本研究では防災科学技術研究所Hi-net、気象庁、産業技術総合研究所地質調査総合センターにより得られた地震波形データと気象庁一元化処理震源カタログを使用しました。