14:00 〜 14:15
[SCG62-07] 乾燥石英ガウジの不安定すべりと温度依存性

キーワード:摩擦、石英、速度状態依存則、スティックスリップ、乾燥条件、温度効果
断層を構成する物質の摩擦実験から、地震を起こすような断層の不安定すべりには水の存在が必要であることが知られており[例えば1]、電磁気観測により地殻内流体分布の探査が行われている。しかし、最近の電磁気観測によれば、流体が少ないような高比抵抗領域においても地震の震源が観測され[2]、地震の発生には流体の存在が必須ではないかもしれない。本研究では地殻に多く含まれるケイ酸塩鉱物の一つである石英を研究対象とし、乾燥・高温条件で二面直接剪断摩擦試験を行い、地震に関連した摩擦の不安定性について議論する。
70 ℃で24時間乾燥させておいた石英粉末を斑れい岩のブロックで挟み、二面直接剪断摩擦試験機のピストンにセットし10 MPaの垂直応力をかけた。試料の温度は30, 100, 200, 300, 400 ℃で一定とした。次に中央のブロックを押して試料に剪断を与え、途中で0.36, 3.0, 39 µm/sの剪断速度で速度変化を与え、変位と垂直・剪断応力を測定した。
得られた垂直・剪断応力から摩擦係数を計算し、速度状態依存(RSF)則にフィッティングすることで、RSF則の構成パラメータa, b, a-bの温度依存性を導出した。
この温度範囲でa値の温度に依存した変化は見られず、b値は温度が上がるにつれて大きくなった。また、a-bはすべての温度範囲で負となり温度が上がるほど減少した。400 ℃ではスティックスリップが起こった。
過去の研究では石英ガウジのa-bが負となるのは水のある条件のみであり、水の関与がすべりの不安定性に必要と考えられていた[1]。今回の実験は乾燥条件でも不安定すべりが実現する可能性があることを明らかにした。本発表ではこの結果の原因について議論する。
引用文献
[1] Masuda K et al. Effects of frictional properties of quartz and feldspar in the crust on the depth extent of the seismogenic zone. Prog. Earth Planet Sci. 2019, 6, 50.
[2] Ichihara H et al. A 3-D electrical resistivity model beneath the focal zone of the 2008 Iwate-Miyagi Nairiku earthquake (M 7.2). Earth Planet Sp. 2014, 66, 50.
70 ℃で24時間乾燥させておいた石英粉末を斑れい岩のブロックで挟み、二面直接剪断摩擦試験機のピストンにセットし10 MPaの垂直応力をかけた。試料の温度は30, 100, 200, 300, 400 ℃で一定とした。次に中央のブロックを押して試料に剪断を与え、途中で0.36, 3.0, 39 µm/sの剪断速度で速度変化を与え、変位と垂直・剪断応力を測定した。
得られた垂直・剪断応力から摩擦係数を計算し、速度状態依存(RSF)則にフィッティングすることで、RSF則の構成パラメータa, b, a-bの温度依存性を導出した。
この温度範囲でa値の温度に依存した変化は見られず、b値は温度が上がるにつれて大きくなった。また、a-bはすべての温度範囲で負となり温度が上がるほど減少した。400 ℃ではスティックスリップが起こった。
過去の研究では石英ガウジのa-bが負となるのは水のある条件のみであり、水の関与がすべりの不安定性に必要と考えられていた[1]。今回の実験は乾燥条件でも不安定すべりが実現する可能性があることを明らかにした。本発表ではこの結果の原因について議論する。
引用文献
[1] Masuda K et al. Effects of frictional properties of quartz and feldspar in the crust on the depth extent of the seismogenic zone. Prog. Earth Planet Sci. 2019, 6, 50.
[2] Ichihara H et al. A 3-D electrical resistivity model beneath the focal zone of the 2008 Iwate-Miyagi Nairiku earthquake (M 7.2). Earth Planet Sp. 2014, 66, 50.